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元気環境都市宣言 [2005年10月31日(Mon)]

元気環境都市宣言 [2005年10月31日(Mon)]

連日イベント続きだが。今日は、東京都北区の「元気環境共生都市宣言」記念式典だ。
私は、「空の絵 -北区の四季-」というアトラクションで、ピアノの岡さんの演奏のバックの映像の写真と映像効果、そして、即興音楽に合わせて、効果音を入れていくということで、関わることになった。行きかがり上、式典の始まりの演出と、「さくら体操」という北区独特の健康体操の音響も携わることになった。
当日までどのような内容か知らなかったのだが、東京都北区の「元気環境共生都市宣言」(舌を噛みそう)の内容が、けっこうすばらしい内容で驚いた。そんなことで、全文を引用して掲載します。

「元気環境共生都市宣言」
~健康とみどりのまち北区を目指して

北区は、豊かな歴史と文化遺産、飛鳥山の桜や
荒川の水辺空間があり、みどりとうるおいや
人と人との支えあいを大切にしながら、
思いやりと健康あふれるまちをめざしてきました。

心ゆたかに元気で快適な生活を送ることは、
北区民すべての願いであり、よりよい環境を
次の世代に継承することは私たちの責務です。

身近にある環境問題は、地球環境と密接につながり、
私たちの健康に大きく関係しています。
区民一人ひとりが「地球市民」として、環境に配慮した
行動を学び実践するとともに、自らの健康づくりに努め、
力を合わせて元気な北区をつくることが求められています。

私たちは、豊かで健康に暮らし続けることができ、
すべての息づくものが共生できる環境をめざして、
区民と区、地域が一体となって取り組んでいくことを誓い、
ここに「元気環境共生都市宣言」を宣言します。

平成17年10月29日
東京都北区

以上が、宣言の内容だが。

いくつか、踏み込んだポイントがある。

「よりよい環境を 次の世代に継承することは私たちの責務」

サスティナビリティ(持続的)な環境づくりを、責任のある、義務として、明確にしている。
昨今では、自己責任という名のもとに、当事者全てに責任があるにも関わらず、自己責任という言葉に甘え、一部の人や起業が自らの責任から逃れようという傾向があるのだが。それとは違い、責任や義務を明確にしているところが、いさぎいい。

「身近にある環境問題は、地球環境と密接につながり、
私たちの健康に大きく関係しています。」

これは、環境問題の根本だけど、理解しにくい内容を、ここまで、簡潔に、わかりやすくまとめているのは、すばらしい。
区の問題は、地球の問題であり、個人にも影響するということが、よくわかり。環境問題の全体を説明しながらも、当事者意識を持たせる文章になっている。
ここは、大きなポイントだと思う。
それを受けて。

「 区民一人ひとりが「地球市民」として、環境に配慮した
行動を学び実践するとともに、自らの健康づくりに努め、
力を合わせて元気な北区をつくることが求められています。」

というところで、「実践すること」につなげている。
当事者として、行動する、実践者であることが重要なのだが。ここでは、実践する必要性を説いている。

さらに

「すべての息づくものが共生できる環境をめざして、」

これも、すごいですねぇ。
自分たち人間だけでなく、全ての生物ときた。

先に、環境問題は、区の問題は、地球全体の問題であり、それが個人の健康につながるような事を言っておいて。環境問題は、自分の問題だと意識づけていたのだが。
ここで、「自らの健康づくり」から「すべての息づくもの」という、ところに、実践の範囲を、広げている。

なかなか、このあたりのもって行き方はすばらしい。

こんな宣言をした後に、ここんところ、足で稼いで写真を撮り続けたり、共同制作をした方は、昔の帰宅の風景を捉えた写真を集めて作った映像に合わせて、岡さんのピアノ演奏と歌が流れたときは、とても感動的だった。

昔の北区の写真を提供してくれた方の一人は、現在、かなりのご高齢で、しかも、病床に付し、危篤状態というところで、ご親族の方からの使用についての了承を得たという経緯があったのだが。
この古い写真の力強さは、未来に繋がっていくのだろうと感じた。

わたしの仕事のキャリアは、イベント屋から始まったので、そこで、関西地区の行政イベントに、いくつも関わったことがあるが。その多くは、どこか、大きな矛盾をはらみ、言い足りない、ものたりないものとなったり、上滑りをしていることが多かった。
しかし、今回の東京都北区の元気環境都市宣言記念式典は、そんな、過去の体験を払拭するぐらいの気持ちがいいものだった。

インターネットが流行りだして、10年。バーチャルの世界の広がりに対する危機感を募らせる人が多いが。
その一方で、概念をきっちり作り、それを実践に移してゆく動きも、確実にあるのだと感じた。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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