東北に生まれて東北のために東北で働く [2006年06月10日(Sat)]

6月8日に、あるインタビュー取材ということで、東北地方のある大学に、写真カメラマンとして同行した。
東京から仙台に行って、帰って、またまた東北地方へという感じて、イベント続きの合間に、週のうち3日は東北新幹線に乗っているというハードスケジュールの中での撮影取材だ。
今回お会いした方は、労働問題においての法律に詳しい方で、出稼ぎ労働者の実態について、何十年も追いかけているそうだ。
出稼ぎ労働者は、かなり酷い労働環境に置かれているのにもかかわらず「残業をすればお金になる」ということを信じて、飯場での酷い生活をしても働いているのだそうだ。
これって、日本に来ているいわゆる途上国の労働者と似ています。新宿の百人町のあたりには、小さなアパートの一室に、十何人も住んでいるということもよくあるそうで。しかも、労働条件の悪いところでも、深夜の時間帯でも安いお金で働いているのととても似ている。
夏の間は、東北地方の各地を廻って、関東や関西などの飯場で出会った人を追って調査をしたりしているそうだ。
出稼ぎに出る人が多い地域では、工業団地を誘致する動きとかもあったのだが、もっと土地代や人件費の安いアジアの国などにすぐに移転してしまって、工場がすぐになくなってしまうのだそうだ。そして、一度、農地から工業団地になってしまったら、二度と農地に戻らないのだそうだ。
そうなることで、さらに貧困が進むのだそうだ。
昨日の「天の浮舟」のイベントの中で、てのひらの百瀬さんのレポートの中で、タイの北部、東北部の少数民族などが、人身売買の餌食になっていく仕組みを説明してくれたのだが、今日のおはなしを聞いて、構造的にとても共通点がある事があることも気になった。
タイもASEANの中での先進地域との位置づけを確固たるモノにしようとしているように見えるが。タイが発展し、労働者の賃金が高くなれば、そのうち、もっと安い労働者をもとめて、工場が移転してどこかに行ってしまうかもしれない。
最後には、どこにたどり着くのでしょうかね。
さて、この労働問題に詳しい方は、東北に生まれて東北のために東北で働く人なんですよ。
本人は、自分のやっていることが、あまり東北地方に役立てていないという事をおっしゃられていましたが。それは、実践者だから言えることなんですよね。現状が見えているからこそ、多くの課題があることに気がついているからこそ、言えるんですよね。
カッコイイと思いました。やはり、地域とコミットしている人って、カッコイイと思います。
だからといって、それぞれの地域から出て働く人が格好悪いとは言いません。
ですが、東北に生まれて東北のために東北で働くという、ことが出来たというのは、幸せな事なのかも知れません。それを、自らの手で、実現したんですよね。だから、カッコイイと感じたのでしょう。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]