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NPOまつり(代々木公園) [2006年10月22日(Sun)]

NPOまつり(代々木公園) [2006年10月22日(Sun)]

NPOまつり(代々木公園)に出店してきました。
出店に際し選考があるということで、一か八かで申し込んだら、選考にもれずに出店できるようになったおかげで、足立区と代々木公園のダブルヘッダーでイベントをこなすこととなった。
さて、会場は、アースデイでも使っている会場で慣れていたのですが、主催団体が違うとまた違った雰囲気になっている。
目の前ではフリーマーケットが開かれ、その間に、NPOやNGOなどが展示しているのだか。すっごくゆるい感じです。
ステージもオヤジがフォークを歌いまくったり、売れていないアイドル歌手が歌っていたり、知的障害の方のチンドン屋があったりと、何でもありです。
たまには、こういう何でもありというのは楽しい。
しかし、ちょっと気になるのは、継続的にこのようなイベントをすることを考えると、芯にあるものを何か見せる必要があるのではないかという気がしました。
どうも、この時期、全国で同時多発的に「NPOまつり」と称するイベントが行われたわけですが、調べたわけではないのですが、どこかで同様なことをするようにというお達しがあったのか、どこかが成功したという事例を持ち出して真似を推奨したような雰囲気を感じている。
確かにNPOの横のつながりは大切なのだが、何かをコピーをしてきたなど、形だけまねて、芯がないと感じてしまうイベントをすることは、逆効果のような気がする。
とはいえ、今回は、第二回目ということで、去年このイベントを見た人からすれば進化したそうなので、やりながら芯をみつけ、太くしていくのかもしれない。

さて、このようなイベントに出ていると良く聞かれることがある。
それは「どこに所属していたのですか」とか、ボランティアをしたいのだけど「どこに所属すればいいのでしょうか」という質問だ。
わたしのやっている「アイデアイースト」ってのは、ただの個人事業者であって、NPO法人でもなんでもない。単に活動がNGO化しているだけである。
それに、どこのボランティア団体にも所属しているわけでなく、ボランティア団体さんとからんで動いているだけである。
だからボランティアをしたいのだけど「どこに所属すればいいのでしょうか」という質問に答えようがない。
自分がしたいと思ったら、やればいいだけの話で、そこに丁度いい枠組みがあればそれを利用すれば良いし、枠組みがなければ自分で作ればいい。それに所属するところは一つに限定する必要もない。
それが、どうも、既製品の組織に所属しなれていると、自分で枠組みを作るという発想が沸かないようなのだ。
私のほうは、幸い。学生時代からアウトロー的なところがあって、たまたま新しい事をしたい、やりたいことをしたいというときに、枠が無かったおかげで、自分で枠を作る経験が出来た。
高校のときは、YMOブームでシンセサイザーで音楽がしたいと思った。しかし、電子楽器は使ってはいけないというクラブがあったり、シンセサイザーは波形をコントロールするから物理部だという話が出てきたりと、どの枠にも入れなかった。そこで、学校の外に出て、友達とグループを作った。
大学に行っても、バンドなんかをやっていたが、学校のクラブに入らず、自分たちでバントを組んだ。大学祭で勧誘にあいSF研究会に入ったのだが、前々からやりたかった映像製作をさせてもらえるということで、目的を達するために入っただけで、別にSF文学青年ではなかった。
所属にこだわらないおかげで、波乱万丈かもしれないけど、誰もレールを引いていない、様々な最先端の仕事と出会うチャンスを得た。
それと、大学のときは、クラブに入ることを拒否した面もあった。いわゆる大学に公認されているクラブのいくつかは、一つは就職活動に有利だということでクラブの目的とは関係なく入っている人がいたり、部室があったり友達が出来るからという理由で入っている人を多く見かけた。何かをやろうとして、そのクラブなりサークルに入った人にとっては、これらの人たちは邪魔な存在なんですよね。ポイント稼ぎだけに奔走したり、たんにだべっているだけという人たちに、活動を邪魔されるというのはとても不愉快なんです。とはいえ、彼らがいるからこそ、部費があつまり、困ったときに人手になるから活動が維持できる。
これは、たまたま、音楽やら映像という話や部活動という話なのだが、これと、ボランティアもあまり変わりがない気がするんですよね。
津波の被災地に行って、良く聞く愚痴の一つは、就職のポイント稼ぎのためにボランティアに来た学生の話だ。ボランティアに来た人としては、何か動きが変だと思っていたら、就職に有利だからという理由で来ていたという事を聞き、人間不信になった方もいました。
それと、今、気になっているのは、団塊の世代が大量にNPO流れ込むことで、機能不全を起こすNPOが出てくるのではないかという危惧である。
今回の祭りでも、NPOに関心がある、どのNPOがいいかという質問を聞いたのだ。
世の中にある、NPOなりNGOと、自分のやりたいこととが完全にマッチングすることは、かなり難しい。それは、それで仕方がないのだが。どこかに所属しないと心もとないというか、不安だという理由で、所属された場合。参加者の安心を与えることに走りがちになり、本来の目的を達成することへのエネルギーが減退する。活動はしているが、毎年同じ活動をすることに終始し、本来の目的の達成のための見直しが行われなくなる。
これでは、解決すべき問題は解決しないし。問題の解決を望んでいる人たちの問題が取り除かれないままになってしまう。

NPOまつりは、NPOの横のつながりをつくるというイベントなのだそうだが、NPOの横のつながりが弱い原因の一つは、自分たちの居場所として完結しているNPOが多いからなのではないかという気がしています。

タイの津波の復興住宅で作っている民芸品のプロジェクトは、ドナーとは関係なく、横のつながりを作っている。まあ、他人を見ているとうらやましく見えるところもあるのかもしれないが。横の繋がりが作れない日本のNPOの状態について少し寂しい感じもする。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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