×

食のインフォームドコンセントと調理技術 [2007年05月09日(Wed)]

食のインフォームドコンセントと調理技術 [2007年05月09日(Wed)]

京都の新風館で行われた「地球愛まつり2007」に出店してきました。
ショッピングモールのど真ん中で、地球にやさしいイベントということだったのですが、あいにくの雨で、お客さんは少なめでした。
しかし、それだけに来るお客さんは意識が高い。とても気持ちのいいイベントでした。
しかも、すでに卸したお店で商品を買ってくれた方が何人もいらっしゃって、私のブースに来て声をかけてくれ、しかもまた買ってくれたりする。本当にありがたい。
また来年も同じ企画があったらまた出店します。

さて「地球愛まつり2007」は、飢餓の問題についてテーマにしています。
今回はそれに関係して、動物性のものを全く使わないで作った料理やスイーツを出すお店が何軒か出店しました。いわゆるベジタリアンのお店です。
世界の穀物の生産量からすれば、人類の3倍以上食べられるはずなのに、飢餓問題が起きている。もちろん政治的な問題もあるけど、肉食をすることで物理的に穀物の量が減ってしまうというのが穀物がいきわたらなくなる大きな原因である。それを解決する方法として、肉をなるべく食べないようにするという方法があって、肉など動物性のものを使わなくてもいい食事の提案が今回なされたわけです。

余談ですが、最近の原油の高騰と地球の温暖化対策としてのCO2削減で注目を浴びている、バイオエタノール燃料ですが、飢餓問題のほうから考えると、実はヤバイんです。
バイオエタノール燃料を作るために、トウモロコシなどの穀物を使う場合、かなり大量の穀物を消費してしまうんです。そのため、さらに人の口に入る穀物が減ってしまうんです。
どうもこのバイオエタノール燃料において、ここんところ穀物メジャーが動いているようなんです。最近は遺伝子組換えの穀物を食用にしない傾向があるのですが。しかも、家畜の飼料用としても、付加価値のある家畜には人間同様遺伝子組換えの穀物を与えないという傾向も出てきています。しかしそのぶん遺伝子組み換えの穀物が余ってしまうということが予想され。その穀物の消費方法としてバイオエタノール燃料が考えられるわけです。しかもかなりの穀物を消費するようです。
食の安全ということはとても大切なことなのですが、遺伝子組み換えを急激に排除することで、結果として穀物の生産を増やし自然破壊をする行為に走りかねません。やばいです。
さて、話は戻って。

最近気がついたのですが、ベジタリアンって、食のインフォームドコンセントなんですよね。
そして、ベジタリアンが調理技術を新しいステップに進めるのではという感じがしているんです。
医療ではインフォームドコンセントという言葉がよく使われますが。ほとんどが医療情報の開示や医療行為を行う前に誓約書を書くというような形で普及してきました。
しかし、本当のインフォームドコンセントというのは、医療の行為を患者が選択するということで、そのためには医療の情報の開示があったり、選択した結果として誓約書にサインをするという行為が発生するわけです。ところが、現実は患者が選択する余地がなかったりと、医療行為を行う人が主体となった医療が行われ、インフォームドコンセントの核となる部分が置き去りになってしまいがちというのが現状である。
そんな医療の業界ですが、患者の医療行為の選択のおかげで、急激に技術が向上するってことがあったのです。
それは、輸血という医療行為を拒否するエホバの証人を治療するために、輸血をしない手術方法が開発され、それが多くの人の医療行為のリスクを減らすことに繋がったのです。
輸血というのは、とてもリスクの高い医療行為で、体内に他人の血が流れることにより、危険なことがたくさん発生するのです。それが、ごく普通に行われていたわけですが、そのことにより、命を落としたり、命を落としかけた方もいたわけです。
それを、輸血をしないというインフォームドコンセントをしたために、医療行為に工夫をしなければならなくなり、医療技術が発展し、多くの人に役立った。
ベジタリアン、特に卵や牛乳も食さないヴィーガンと呼ばれる方は、食に対してインフォームドコンセントを行っているといえる。
そのため、加工食品に関し、使っている食材の情報開示されるわけでする。
ひらたくいうと、ヴィーガンスイーツを前にして「このケーキは、卵も牛乳も使っていません」なんていう会話となる。
ベジタリアンのスイーツだとか料理を食べて感じるのだけど、おいしいものが多いんですよね。しかも、進化している感じがするんです。
おそらく、食のインフォームドコンセントが行わることにより、調理技術が向上したんでしょうね。
私もベジタリアンではないのですが、ベジタリアン以外の人にも受け入れられる料理となっていて。肉がない、卵がない、牛乳がないという「ない」というマイナスイメージではなく、素直においしいというプラスの面だけが残るわけです。
それと、私はベジタリアンでないから言いますけど、私にとって、肉、卵、牛乳は美味しいです。でも、そのおいしさに甘えてしまって、食材本来のおいしさとか、そういうのに気付かずにいたのではないかという気もしてきているんです。
だから、ベジタリアンの食事が普及することで、もっと食の世界が豊かになるような気がするんですよね。そして、結果として、余分に穀物を使わないようになり、多くの人が飢餓に陥らずに済む可能性が増える。これって素晴らしいでじゃないですか。
できれば、みなさんも、機会を作ってベジタリアンの店に行って、いろんな料理を食べてみて、食の世界を広げてみてはいかかでしょう。
また、イベントでベジタリアンのお店を見つけたら、一品頼んでみてはいかがてしょう。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

Share this content: