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仕事が出来る環境を [2007年07月20日(Fri)]

仕事が出来る環境を [2007年07月20日(Fri)]

先日、このブログネタに関係ある某省庁に行ってきました。

 

内閣府(防災担当)
厚生労働省
環境省

んー、みんなうちのブログネタに関係ありますね

会議までの時間を、オフィスの脇のスペースで待っていました。
そこからはオフィスの様子がよく見えます。
オフィスは所狭しと机が置かれ、通路は1メートルも空いていないかと思うぐらいしか空いていません。両側に人が座っていると、人も通るのもやっとです。そこで、うちわを扇ぎながら、ノートパソコンに向かって一生懸命仕事をしています。
この光景を見て唖然としました。
何故かというと、国の政策を実行したり、政策を実行するために場合によっては法律を変えてもらうように案を作ったりする人たちが、あまりに酷い環境で仕事をしているからです。
まるで鶏舎のようです。
仕事の都合で地方の役場や、タイ政府やラオス政府の省庁に行った事があるのですが。もっと考えたり集中して仕事が出来る環境が整っているんですよね。

去年、心の健康づくり研修専門家会議ってのを行ったようですが。
その資料に、ちょっと古いですが、精神及び行動の傷害で長期休暇をする国家公務員が増えている様子が書かれています。
資料が古いので、現状を表しているとは限りませんが、現場をみたら妙に納得してしまいます。

確かに日本という国は、国債など、おそろしい金額の借金をしてしまっていて、そのお金を返さないといけないけど、税金をあからさまに増やすなどをすればいろんな所から文句を言われるので、あからさまに上げるわけにはいかないということで、この十年以上、改革という名の下に、原則的に、税金というお金を使わないように、使わないようにしていこうとしています。(とはいえ、あからさまにならないように実質増税をしたり、税金を垂れ流していると言われるところもありますが・・・・)

この状態を見てしまうと、お金を削りすぎたり、お金を削る場所を間違っているんじゃないかという気がしてしまったんですよね。

会議が始まり、会議室にいくと、幹部と呼ばれる役職についている方が何人かいらっしゃいました。中には、テレビでちらっと見た事がある方もいらっしゃいます。
とても優秀な方たちで、目標に向かって的確に話を進めています。
これを見ていて思ったのですが、優秀で目的に向かって進むから、お金を使ってはいけないという目標を設定されたら、自らの仕事環境も含めてお金を使わないようにしてしまったのではないかという気がしたんです。
決められたことを実行するのが行政機関の基本ですから。当然そうです。(そうであるべき?)

ここ最近、財政再建団体になった夕張の事なんか書いていますけど。
自治体の持っている借金を返すために、お金を使わない方策を立て実行しつつありますが。今のところ、これからどういう町にしていこうという方針が立てられていないため、未来が見えにくい状態になっているようです。その、一方で、本当に必要なのかわからない巨大な公共事業が行われている。(完成後の固定資産税の税収が期待されているようですが・・・)

この省庁のオフィスを見ていたら、これと同じことが、実は国レベルで起きていると思わざるを得なかったんですよね。
夕張市は、一時借入金などの活用により表面上は財政黒字となる手法をとって、赤字を増やしたのがばれて、財政再建団体になるという形にはなったのだけど。
多くの国民に気づかれないように、儲かっているフリして借金も増やし、そののち財政破綻しているのも隠して、今度はお金を出さないようにして、借金を返済しようとしているのが、いまの日本の国なんじゃないかって気がしたんですよね。
ウソを、ウソで塗り直して居るんですけど。行政官は、決められたら、そのとおりに働く。

最近、年金の問題で、データが無茶苦茶じゃないかとか、年金のお金はどこに行ったとか、大騒ぎになっているんですけど。参議院選挙が終わったら、うやむやになる可能性があるんですよね。
うやむやにせず、「年金は破綻しました。」って、言った方が楽なんじゃないかって気がするんです。

それと、お金をかけずに「改革しましょう」と言うのも止めた方がいいような気がします。
資材がもう無くなって、タケヤリと気合いで成層圏近くを飛ぶ爆撃機を落とそうとしているようなものです。(この時期、このタイミングで精神論的な「美しい国」と言われちゃうと、違和感を感じちゃうんですよね)
そういう、ケチくさいことではなく。
ばらまきではない形で、「どこにお金を掛けたいから『税金を託して下さい』」と言うのが政策だと思うんですよね。
(さらに言えば、いまの国や地方自治体の持っているシステムでは実現出来ない公的事業なら、実現出来るシステムをもつNGOにお金を託したら、その分の減税されるというのもアリだと思う。そういう判断をするのも政策だと思う)

どこにお金を掛けるかって言ったら、これから生まれる人も含めて「人」でしょうね。これは少子化対策の話のような人口を増やせという話ではなく。みんなお金持ちになれということでもなく。この国に住んで良かったと思えるかということなんだと思うんですよね。

そういう政策を実行するための優秀な人材が働く環境って大切だと思うんです。

社会保険庁の幹部のボーナスを返上しろとか週刊誌に書かれていますが。そういう懲罰的な発想をしても何も生まれません。
そろそろそういう発想を止めて。
天下りをして利権を握らせたり、贅沢させる必要はないですが。公共の仕事をしている方に気持ちよく働いてもらえる環境を整えるのが、国民の仕事なんじゃないかと思います。
これは、今回取り上げた国家公務員だけでなく、医療関係者もそうだし、教師もそうだし、公共の仕事をしているNGOの人もその対象だと思います。

P.S.書いた後、こんな記事みつけました。

過労死の発生を労働時間だけの要因で考えるのは無理があるのですが、興味ある記事です。

中央官庁職員の10%が過労死の危険 
07/19 12:34
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/67643/

霞が関国家公務員労働組合共闘会議が18日発表した残業実態調査によると、東京・霞が関の中央官庁に勤める国家公務員は昨年度の残業時間が月平均39.1時間に達し、全体の10.3%は過労死の危険ラインとされる月80時間を超えていた。省庁別の平均残業時間では、厚生労働省の労働部門が最長で84.0時間。次いで同省厚生部門が79.3時間。ただ、以前90時間以上残業していた環境省の組合が調査に不参加のため、同省が“隠れ1位”とみられている。

「イザ!」より
[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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