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現場の感覚 [2007年09月20日(Thu)]

現場の感覚 [2007年09月20日(Thu)]

中越沖地震に携わっている国土交通省の幹部が、報道により復興が中断されているということを、業界誌に寄稿したそうです。
現場の感覚なんでしょう。

マスコミというメディアは、マスが興味を持つ情報を流すわけですが。
被災者という少数派より、そうでない人にどのようにアピールするかという報道をするわけです。
地震が起きると、どこで、どれだけの地震があったのかを知りたくなるというのが、テレビというか地震情報に慣れた人の行動パターンなのですが。だいたいは、震度が大きいところをみつけては、「大変そうに・・・」と「思うだけ」なんですよね。
多くの人は、それで、満足なんです。
そして、町の名前が並んでいくのを見ると、時間が潰れるのです。
そこからは、何も生まれません。

人は、エッチなシーン、残酷なシーンを見ると、そのまま、画面を見るという特性があるということを実験で証明し、学説として発表されています。これが、本当かどうかはわかりませんが。実体験をてらしあわせると、なるほどなぁと思います。
ホラー映画やアクション映画や、ひどいいじめのドラマや、人をいじりまくるバラエティ番組、エッチな番組が流行るのはそのせいだ。
かつてのNHKの人気番組「プロジェクトX」も、途中で必ず「打ちひしがれた」というエピソードが出てくる。災難がふりかかるからこそエンターテイメントとして成立し、人気番組となる。
人が、余震の震度とかをやたら気にする一因は、もしかすると、残酷なシーンへの期待なのかもしれません。

無意識を含め、残酷なシーンを期待している人からすれば、被災地は、悲惨でなければならないわけです。
余震の報道が在れば、被災地は悲惨であることを再確認もするし。
災難は、高みの見物が一番なので、そんな人からすると観光に行くのは御法度なのである。

人々は、余震の数字を見て、災難を期待しているからこそ、そのネガティブパワーが、なんとなく復興の現場の士気を低下させるのではないかと思うのは、現場の感覚なのではないかと思います。

震災報道で「復興が中断」=機械的な伝え方と問題提起-国交省幹部が機関誌に寄稿 
(時事通信社 – 09月20日 15:11)

新潟県中越沖地震などの震災報道をめぐり、須野原豊・国土交通省北陸地方整備局長が建設業界の機関誌に「(余震に関し)機械的な報道がなされ、復興の努力がそのたびに中断される」などと寄稿していたことが20日、分かった。

同局長が寄稿したのは、主にゼネコンで構成する社団法人日本土木工業協会が発行する「CE建設業界9月号」。「災害とその復旧・復興について」と題し、1ページ余が掲載された。

寄稿の中で同局長は、「小規模な地震が発生するたびに震度何々と機械的な報道がなされ、せっかく復興に向けて取り組まれている方々の努力がそのたびに中断される」などと指摘。観光の客足が戻らないのは、余震を報じる記事が一因との見方を示した。

[時事通信社]

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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