冬の炭住街を訪ねる [2007年12月18日(Tue)]

高齢化率が特に高いといわれる炭住街を訪ねた。
この街は、炭坑を中心に出来上がった住宅地で。炭坑の入口の近くに公共施設が集中している。

 

炭坑の跡

参考 六月の同じ場所の様子はこちら

ここに立ち並ぶ住宅にはお風呂が設置されてなく。住民は集会所に隣接する公共浴場を利用している。

 

入浴施設

今回、来てみて気がついたのは、想像していたより人通りが多い。
天気が良かったということもあるのだが、夕張の他の地域より人通りが多いんです。

確かに高齢化率も著しいし、朝から酒をあおっていると思われる人もいます。
ベニヤ板で窓が閉められた住宅が多い。でもその割に人通りがあるんです。

しばらくは謎でした。

ですが、ヒントはバス停にありました。

たまたま、バスが来たので、シャッターチャンスと思って撮影したのですが。
バスの時刻表を見て、同行したライターの米田さんが「(千歳市の)実家よりバスの本数が多い。しかも札幌まで直通便も一日何本も走っている」と言ったのです。

高齢化、人口減少が進んでいるとはいえ、ここの住民は、公共の施設やインフラを利用しているから、出歩いている人が多いのです。
バスが比較的便利なので、自家用車を使わなくても生活ができ。バス停に行くために町を歩く。
お風呂が家にないから、入浴施設に行く。
そうすることで、街に人通りが発生するわけです。

別の言い方をすれば、炭住街ってのは、効率よく、コミュニティも考慮された住宅街として、作られていて、それが今も少なからず機能しているということなのかもしれません。

世の中便利になり。
交通手段やお風呂を個人で所有できるようになりました。
そのため、地方の公共交通機関が削減され、ごく普通の公共浴場がなくなった。
全国的に、この炭住街より不便なところは当たり前のようにある。
その結果どうなったのかというと、街や村に人が出歩かなくなり。街の活気を奪っていったのだ。
もしかすると、それが地域のパワーを奪い、地域の活性化のマイナス要因になっている可能性がある。

この街も、これからこのまま人口が減少していくと、バスや浴場の維持が難しくなり。いまの状況が保てなくなることが容易に予想できる。
しかし、この街を観察すると、公共サービスが街の活気を演出する機能を持っていることを再認識できたのが興味深かった。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]