これって障がい者監禁事件じゃないの [2008年02月15日(Fri)]

障がいのある人を30年間にわたって奴隷同然に扱っていたという報道がありました。

残念ながら記事という限られた情報でしか推測出来ませんが。
とにかく、この件は、様々な所に社会の問題点が見え隠れします。

まず、民事面から。
その損害賠償額が4500万円ということなんですがその根拠を知りたいですね。
どのように算定したのかわかりませんが、これって4人合計なんですよね。少なすぎると思いませんか?
それぞれの方が何年使われていたというのかがわからないので、仮に平均20年としたら、損害賠償額から単純計算したら年間1人あたり約56万円の損害を受けていたとなるわけですが。
毎日、朝6時から夜10時まで、16時間労働で、月二回休みということで、年間340日ははたらいていたわけでしょ。つまり、年間5440時間働いていたわけで。年間56万円分働いていたとして、単純に時給計算すると103円で働いていたとことになる。
北海道の最低賃金が654円と規定されているわけですが。年間5440時間、そのうち8時間が残響手当の対象となると考えると、6120時間分の給料が払われないといけないことになるわけですから。年間400万2480円の給料を払わないといけない計算になる。
そう考えると、13年から31年にわたって、4人が無報酬で働かされていた未払い賃金としての損害額の金額としては4500万円は少なすぎるんじゃないのかいう気がするんです。
しかも、恐怖を植え付けられて、逃げられないようにさせられていたわけですから、その治療をする期間働けないわけですし、その期間の生活費や治療代を考えると、それだけで慰謝料として4500万円いってしまうような気がするんですよね。
訴えられた経営者は、行方をくらませているようですが。裁判では慰謝料が全額認められる事ってなかなかないわけですから。この弁護士の設定した4500万円っていう賠償額って安すぎるように思うんですよね。別の見方をすると、法律に照らし合わせて、障がい者の生きた価値を金額計算すると、べらぼうに安いという状態があるのではという疑念が湧いてきます。
障害者基礎年金というのも、勝手に手続きをして横領していたという金額は、疑いがあるという状態なので、含まれていないとは思うのですが。それを足して4人で7000万円は安すぎます。

次に刑事面です。
「早く食堂にもどらないと大変なことになる」と言っているということが書かれていますが、人身売買され監禁されていた人をNGOが救った時に、よく耳にする言葉と重なる。つまり、実質上「監禁されていた」ということです。
保護のプロセスも、人身売買のケースとよく似ています。

今回の件は、民事訴訟に踏み切ったので明らかになったわけですが。こういうのこそ、監禁事件として刑事罰が与えられるべき行為だと思います。
新潟の少女長期監禁事件というのがあって、長期監禁罪制定の動きがあったわけですが。刑事罰になるような法整備がなされていないから、警察や検察が動いていないのでしょうか。
動いているとしても、警察や検察からすれば、世の中の話題にするような事件ではないという認識だったから、マスコミに対して、事件の発表をしなかったのでしょうか。
経営者は逃亡したわけです、刑事事件として追いかけているなら、逃亡出来ないように拘束するべきだったのではないでしょうか。

また、こういう事態になっているということは、保護された段階で、役所の福祉関係の部署などに連絡が行き、何か動いているはずなのですが。いまさら記事になると言うことは、新聞の記者たちって、役所にも張り付いているはずなのですが。それを察知出来ていなかったのでしょうか。
「13日にわかった」と書かれていると言うことは、全国紙ですから、地方の役所への食い込みが浅くならざるを得ないのは解りますが、長期にわたる実質上の監禁事件を、少なくとも朝日新聞が知らなかったという事を指していると思います。まあ、記事にしただけましですが・・・。

今後、どれだけ報道されるかわかりませんが、この事件の進展に関する記事には注目して行きたいと思います。

知的障害者に「奴隷生活」 保護の4人、経営者らを提訴
2008年02月13日22時42分 朝日新聞

札幌市の食堂で住み込みで働いていた知的障害のある32~51歳の男女4人が13~31年間、無報酬で劣悪な生活を強いられ、07年6月に保護されていたことが13日わかった。労働時間は1日十数時間で休日は月2回。食事も満足に与えられなかったという。4人は同日、「奴隷のように働かされ、障害者年金も横領された」などとして経営者らを相手どり約4500万円の損害賠償を求め、札幌地裁に提訴した。経営者は現在、行方がわからないという。

4人は、32歳の男性1人と35~51歳の女性3人。定食類を出す札幌市白石区の「三丁目食堂」の調理室で調理や皿洗いを担当していた。

4人を保護して暮らしぶりを聴き取った弁護士によると、4人は食堂2階の部屋などに住み、毎日午前6時ごろ起床。仕事中はトイレに立っても怒鳴られ、午後10時ごろまで働かされた。食事は残り物ばかりで、調理室の食べ物を持ち出してしのいでいたという。

休みは月2回で、現金は週1回、銭湯代を渡されるだけ。入浴は休日しか許されず、下着は汚れたものをずっと使っていた。歯磨きも「仕事を始めてからほとんどしたことがない」といい、保護時は緑色の歯石がびっしりたまっていたという。

4人は長期にわたって恐怖感を植え付けられ、逃げ出すことができなかったという。親たちも知的障害があるなどの事情で、後ろ盾になれる状態ではなかったという。

弁護士の電話相談に事情を知る人から情報が寄せられたことから、4人は障害者施設に保護された。発見時は4人ともやせ衰え、繰り返し「早く食堂に戻らないと大変なことになる」とおびえていたという。

食堂の経営者らは4人の障害基礎年金の手続きも無断で行い、約2600万円を横領していた疑いもあるという。経営者は弁護士に「面倒をずっと見てきた。責められることはない」と話したという。

弁護士は「自己主張のすべがないのをいいことに、奴隷のような環境で人格をおとしめた。裁判を通じて警鐘を鳴らしたい」と話している。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]