トトロのとなり [2008年03月15日(Sat)]

相方が、アマゾンで「となりのトトロ」のDVDを入手したので、ビデオ観賞となった。
その「となりのトトロ」のDVDの特典ディスクに、予告編が載っていたのですが。
そこに「火垂るの墓」の予告編が入っていました。

「となりのトトロ」は、いまから20年前の1988年の春の作品として、「火垂るの墓」とともに4/16にカップリング公開された作品で。ともに、スタジオジプリ作品です。

公開当時、「火垂るの墓」の舞台となった、西宮に住んでいたので、地元での注目は「となりのトトロ」より断然「火垂るの墓」でした。
しかも、「火垂るの墓」の主人公が亡くなる三ノ宮駅の上で上映していたものですから、インパクトがありました。
だから当時は「となりのトトロ」の方がノーマークでした。(ナウシカとかカリ城は好きだったのですが・・・)

それから、20年経ち、たまたま「となりのトトロ」のDVDを手にして、思いがけず見た「火垂るの墓」の予告編。
当時のアニメの新しいトレンドでもある、細かく忠実に再現し写実するということを取り入れた作品ということもあり、空襲による神戸の焼け野原の風景が画面に映し出されたとき、ちょっとしたショックを受けた。

20年前に見た時は、生まれる前の過去のものとしての焼け野原が、いまDVDで予告編を見ると、それは、自分が目にした焼け野原の姿と重なってしまったんですよね。

阪神大震災が起きた数日後、電車が初めて神戸市内に到達した日に、神戸市東灘区の友達の安否を尋ねて、電車で出かけたのですが。降りた駅の目の前が、焼け野原になっていたんですよね。これを見たときは愕然とした。
戦争が終わって、50年も経つのに、ね。

たしか、震災後、雨が降る前に濡れてはいけないものに対して処理をしようと、自転車で神戸にある当時のクライアントの会社に行く時、国道二号線を大阪方面に、はぐれてはいけないと、親子が固く手を握って歩いて行くのを見たのですが。その日は、たまたま、火災の現場の近くを通らなかったので、火事の恐ろしさはいまひとつわからなかった。

その後、鷹取付近のクライアントに行った時は、一面焼け野原で、焼け焦げた家や家財道具などが、一面に広がっていて、いままで見えなかった遠くの建物が見れるようになっていて。道路の両脇に寄せられた、焼け焦げた瓦礫からは、黄泉の世界に行けぬ霊が漂っている感じがしました。

焼け野原、身内がはぐれないようにして、生きるために逃げる。

20年前に見た予告編は、現実への予告編になっていた。

ただ、戦争と大きく違うのは、直下型地震というのは、確かに規模は大きかったけど、狭い範囲での災害だということ。大阪が助かっていたわけですし、日本全国で同時に起きたわけではなかった。
だから、国道2号線を手をつないで逃げていた親子づれも、逃げることはできたし、国道沿いには、善意の方が作ったおにぎりが置かれていた。

毎年、この時期って、東京では、空襲についての話題が出てくる時期なのですが。
私が20年前に「火垂るの墓」の予告編を見た時のように、焼け野原というものは、過去のものと感じている人が多いのではないかという気がします。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]