タイ南部が人件費が高いのに貧しいわけ [2008年09月04日(Thu)]

さをり織りの研修センターに糸が届いた。
この糸は、タイ国内で生産されているのですが、北部のチェンマイ近郊で生産され、パンガー県まではるばる陸路で1500キロ近く運ばれてやってきたのだ。

タイ国内では、ここ10年間、地方分権や貧困対策が行われた結果、北部や中部、東部、東北部という感じで、南部以外の地域が発展した。
バンコクも、国営企業などにかかわっていた人は、民営化などにより変化を余儀なくされた方も多いが、地方が元気になったおかげで首都も発展している。
だが、南部だけは取り残されているのだ。

タイの深南部と呼ばれる地域での爆弾事件が多いのも、南部の発展の遅れが一因となっている。

タイ南部の庶民は、かつてのタクシン政権がタクシン氏の出身地を重視したために南部の発展が遅れていると考えている人も多いが。

それ以外にも発展のさまたげになっているものがある。

それは、南部の人件費の高さである。
同じタイ国内の地方でも、南部は北部に対して人経費が高いのだそうです。
そもそもの原因は、まだ勉強不足なのでわからないのだが。
企業は、人経費の安い所に、立地する傾向がある。そのため、人経費の安い、北部に多くの産業がもたらされた。
日本のカメラメーカーもチェンマイ郊外に工場を持っている。
企業がやってくると、それに関連した工場ができる。
そして、様々な工場ができると、それらの製品を使って加工する工場も出来上がる。
そうやって、工場のネットワークが出来上がる。

しかし、南部は、人件費が高いために、工場が進出してこない。
工場が来ないと、関連産業が発展しないから、南部で新しい工場などを作ろうとすると、部品などを北部や中部から運んでこなくてはいけなくなる。
ただでさえ人経費が高いのに、輸送費がかかるため、競争力のつよい低価格の製品が作れないため企業にとってタイ南部は魅力的には映らないようなのです。

これは、企業だけでなく、さをり織りをはじめツナミクラフト全般に言えていることで。材料の調達コストがかかり、さらに市場へ送り出すためにも輸送費がかかってしまう。
そのことによって、価格では北部の商品には勝てない。

タイ南部では、産業というと、プーケットなどの観光を除くと、ゴム畑、パーム畑、そしてエビの養殖というところで、プランテーション型の一次産品ばかりである。
かつては、スズの鉱山もあったが、価格の暴落と公害で現在は採掘されていない。

日本にも似たことが起きていて、工場が人経費の安い外国に逃げていった上に、交通便の良くない地方は衰退してしまっている。