日本育ちの外国人の子供 [2008年11月21日(Fri)]

裁判の判決をうけて、国籍法の改正が国会で審議されていますが、国籍というのはなかなかやっかいです。そして、国籍だけでなく在留許可もやっかいです。

海外ではアメリカなどの出生地主義という国籍の考え方があり、たとえ日本人同士の夫婦であってもハワイで出産すれば、子供はアメリカ国籍を持てるというものが。日本では出生地主義ではないので、以下のニュースのように、フィリピン人同士の子供はフィリピン国籍となる。
その両親が強制退去となると、いくら日本で生まれ育ったとしても、未成年であれば一緒に国外退去となる。
まあ、法律的にはそうなんですが。日本で生まれ育って、日本語しか話せない状態で強制送還はキツイ。

<不法入国>在留許可求め嘆願書 比人中学生と両親が法相に
(毎日新聞 – 11月20日 20:22)

日本で生まれ育ち、日本語しか話せないフィリピン人の中学1年生、カルデロン・ノリコさん(13)=埼玉県蕨市=と両親への退去強制命令を取り消してもらおうと、ノリコさん一家が20日、在留特別許可を求める嘆願書を森英介法相あてに提出した。

ノリコさんの父アランさん(36)と母サラさん(38)は92~93年、他人名義の旅券で入国。95年にノリコさんが生まれた。06年にサラさんが入管法違反で逮捕され有罪となり、一家に退去強制命令が出た。取り消し訴訟も敗訴し、今月27日に退去の期限が迫っている。

ノリコさんは「友達とダンススクールを開くのが将来の夢。生まれ育った日本が大好き。フィリピンでの暮らしは想像できない」と訴えた。【石川淳一、稲田佳代】

ここ1.2年で、日本国内のタイ人との付き合いが広くなってきてますが。わたしの周りにいるタイ人の子供は、タイ語と日本語を両方はなせるように教育しています。
高校生ぐらいになると、タイ人同士、日本語とタイ語をチャンポンというか、すごいスピードでタイ語と日本語を入れ替えてコミュニケーションをとっています。しかも、日本語は完全にネイティブスピーカー。
このような状態なら、あと英語をしっかり覚えれば、タイに戻れば、日本企業にも勤めることが出来ます。

ところが、必ずしも、自分の国籍の国の言葉をマスターできるわけではない。そして、日本語も就職出来る程度にマスターするのは困難である。

タイには、日本人とタイ人のハーフの子供たちがいるのですが、日本語もタイ語も中途半端で、タイは小学校にも落第があり、15歳以上は学校に行くのは任意になるため、小学校3.4年のまま小学校を中退してしまう子供たちもいる。

日本の場合は、義務教育に落第がないので、15歳になると学校にさえ通い続けていれば卒業出来る。これが、いいのか、どうかはわからないが、とりあえず、中学卒の最低限の資格がとれる。
それに対し、小学校中退というのは、良い仕事にもつけないし、それ以上の高等教育に行くことを困難にしてしまう。

そして、タイ人と日本人のハーフの子供の中途半端な日本語は、バンコクにある日本人学校のレベルと歴然の差があるそうです。そのため、日本に帰ってきても学校についていけないという問題も発生する。

新聞記事の不法入国をしたフィリピン人夫婦の日本生まれの子供の場合。親は法律を破っているわけだし、どういう事情があるかはわかりませんが、ちゃんとフィリピン人としてフィリピンで生きていけるような教育をしてなかった。
だから、悪いのは両親だといえる。
と、同時に法務省がちゃんと入国を管理し対応ていないため、子供が日本社会にのみ適応して育ってしまったともいえよう。いまさら強制退去というのもコクな面がある。

とはいえ、この子がフィリピンで生きていけるのかどうかということを考えると、この子に日本に居させてあげたいというのが人情である。

FIFAワールドカップアジア地区予選のカタール戦が未明に行われていたが、カタールのチームには、南米やらアフリカから帰化した選手がたくさんでていた。
FIFAワールドカップの決勝に出ることは国の威信に関わることだから、世界から優秀な選手を集めたというわけですが。
国籍というものは、法律という手続きは経ているものの、とても恣意的に変えてしまえるもので、在留許可も同様の側面をもっている。

と、考えると、国籍というものや在留というものが、恣意的に運用される要素を持っているだけに、今回の件、法相に嘆願をすれば、どうにかなってしまう可能性もあるような気がしてくる。

認知をうければ、婚姻関係無しで、日本国籍が取得出来るという国籍法の改正が進んでいるが、今一度国籍というものが何なのか考えてみてはどうだろう。

ついでにですが・・・
フランスで移民の強制結婚が問題になっているそうです。

10代女性が狙われているようなので、なにかウラがありそうな・・・・

パリ市当局、少女の強制結婚を防ぐマニュアル作成
(ロイター – 11月20日 12:33)

[パリ 19日 ロイター] 仏パリ市当局は19日、少女らが強制的に結婚させられるのを防ぐことを目的とした当局者向けの対応マニュアルを刊行した。

政府調査によると、フランスでは移住者を中心に、10代の女性推定7万人が強制的に結婚させられたり、そうなるリスクにさらされている。結婚式を執り行うことのある市当局者は、そうした状況が疑われるケースに直面した場合、どのように対処すべきか迷うことが多いため、今回マニュアルが作成された。

結婚式が行われる施設を持つある地区の当局者は「会場に着いてみたら、片側には若い女性が1人、もう一方の側に60―80人の男性がいるというような状況に出くわすこともある。経験の少ない担当者なら当惑してしまう」と語った。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]