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ジブリ作品のモデルになったからって騒ぐのはちょっと待った! [2008年12月21日(Sun)]

ジブリ作品のモデルになったからって騒ぐのはちょっと待った! [2008年12月21日(Sun)]

今年の大ヒット映画というと「崖の上のポニョ」ということですが。そのモデルとなった瀬戸内の街が埋め立てられるということで話題になっています。
鞆の浦と同様に、昭和の終わりの頃、和歌山市内の万葉集でも呼ばれた景観をもつ和歌浦が埋め立てられるという事があったので、私は優秀な景観が埋め立てによって破壊されるのは反対という立場なのですが。宮崎駿さんの作品のモデルになったからということで、待ったがかかっているという事に違和感を感じています。
言い方をかえると、宮崎駿さんの作品のモデルにならなかったら、優秀な景観のところをいつの間にか埋め立ててしまったってことになってしまうという状況が、悲しいモノがある。
それと、宮崎駿さんの作品のモデルになったということで、盲目的に活動している人もいるんじゃないかという疑念も持っています。
埼玉県の所沢に「トトロの森」と呼ばれているところがあるのですが、一部は墓地にななる予定地の所があったそうです。その予定されていた墓地は、自然と調和し夏にホタルが見れる墓地という新しいコンセプトの環境に配慮した計画だったそうですが、開発の過程で整地したところで計画がストップしたそうです。アニメのヒット作のモデルにならなかったら、何も気にせずに開発にGOサインを出していたということも問題ですが。開発を計画している人が、環境に配慮した開発をしていたとしても、アニメのモデルだから壊して欲しくない、どんな計画かも精査せずに単に従来の墓地のイメージだけで計画に異を唱えた人が多かったのではないかという気がしてなりません。
もちろん、私も景観を保持してほしいと願っていますが、有名な作品のモデルになったということのみで計画をストップさせるというのは、地域の当事者のことを軽視してしまう危険性をはらんでいると思います。
何度も書きますが、鞆の浦の埋め立てには反対ですが、「崖の上のポニョ」のモデルだからということで埋め立て反対というのには違和感を感じざるをえません。
同じ万葉集で詠まれた景勝地である、和歌浦がどうなったのか、街は本当に活性化したのか、街の価値は上がったのか、リゾート博ってどういう経済効果があったのかを見て、きっちりと判断して欲しい。
何十年前の計画をそのまま踏襲して実施に移し、20年前に同様の事例で失敗したことをまた繰り返す愚を犯さないことを願います。

ポニョの“舞台”で景観論争、埋め立て判断に国迷う
(読売新聞 – 12月21日 10:08)

埋め立て・架橋事業が計画されている鞆の浦(右が鞆港、広島県福山市で)=読売機から

万葉集に詠まれた景勝地で、アニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台としても注目されている広島県福山市・鞆(とも)の浦の埋め立て・架橋事業を巡り、埋め立て免許を認可するかどうかの国の判断がなかなか出ない。

通常、県の申請から認可までの期間は2か月程度だが、景観論争の高まりもあって審査は進まず、半年が過ぎ、越年しそうだ。

◆交通混雑緩和◆

「潮待ちの港」として栄えた鞆の浦は、常夜灯、階段状の船着き場「雁木(がんぎ)」、船番所など近世の港湾遺構を伝え、町並みも江戸時代の雰囲気を残す。一方で、狭い道は車のすれ違いが難しいほどだ。

事業は、港を横切る橋のバイパス効果で交通混雑を緩和し、埋め立て地に観光客用の駐車場を設けようと、県が1983年に策定。港に生活排水を流す「排水権」を持つ一部の住民らが反対したため、2003年に凍結されたものの、翌年、推進を掲げた羽田皓市長が当選し、再び動きだした。

公有水面埋立法では、排水権者全員の同意が埋め立ての前提となるが、「埋め立ての利益が損失を著しく超える」場合も可能。市は全員同意をあきらめて、地元の利益を根拠に手続きを進め、県が今年6月23日、国に認可申請をした。

◆差し止め求め、住民訴訟も◆

こうした動きに対し、事業に反対する住民らは「歴史的な景観が台無しになる」と訴えて、認可しないよう国に要望。また、免許の事前差し止めを求める住民訴訟も起こしており、同県出身の映画監督の大林宣彦さんらが支援している。住民訴訟の原告団長、大井幹雄さん(68)は「山側にトンネルを掘れば、橋は必要ない。貴重な景観を守るため、国は慎重に判断してもらいたい」と話す。

免許の審査にあたる国土交通省中国地方整備局は、排水権者全員の同意なしで埋め立てが認可された前例がないことから、「事業による利益と損失の比較が難しく、審査に慎重を期している」とし、県に埋め立ての利益について異例の補足質問をしている。

今月初め、同整備局長が事業推進を求める福山市議らに「国には反対派の声が多く届いている」と話したことが伝わり、藤田雄山県知事は「判断材料が偏らないよう、国交相に会って説明したい」と発言。同市の羽田市長も市議会で「認可のハードルが、だんだん高くなっているようだ」と国への不満を隠さない。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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