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長田の町 [2009年01月09日(Fri)]

長田の町 [2009年01月09日(Fri)]

あるものを手に入れたくて、神戸の長田区にやってきた。
長田区は、14年前の阪神大震災のとき、下町の住宅密集地や商店街や町工場のある地区ず大規模な火災により焼失した地域です。

JR新長田駅の駅前は、復興住宅ということで、高層マンションと商業施設がそびえたっていて、その下に仮設店舗そのままと思われる店舗がいまだに残っている。

失ったものは、取り戻すこともできないし。
都市計画をする人が良かれと思って作った街かもしれないが、たくさん人が住んでいるはずなのに、なとんなく活気がない街となっているのが、残念でならない。

そんな長田の町ですが、焼け残った商店街があり、そこに、目的の店がある。

この商店街も、震災の後は人通りが減ってしまい、かなり寂しくなったという。
数年絵にこの商店街を訪ねたとき、車椅子で押された老人がヘルパーさんに押されて買い物に来ていたのですが。お店の人が丁寧に接客して、その老人がその商品を受け取った後、人通りが少なくいので、車椅子でも買い物がしやすいと言っていたのがなんとも皮肉だと感じた。

 

ちょっとした壁面アート
街を楽しくしようとする心意気を感じる

六間筋という大きなアーケード街にその店がある。

この店は、知る人ぞ知る神戸の「地ソース」の店だ。

「お好み焼きソース”辛口”」は、甘ったるい”おたふくソース”とは、全く違う概念のお好み焼きソースです。

お好み焼きというのは、大阪や広島のものというイメージがあるのですが、神戸にも独特のスタイルのお好み焼きが存在しています。
特に下町の長田区周辺で進化したもので「スジコン」とか「スジお好み焼き」と呼ばれる、豚のスジ肉とネギを使ったものです。それに合うソースが「お好み焼きソース”辛口”」です。

オリバーソースが「どろソース」を販売しているので「どろソース」という名前は聞いたことがあるでしょうが、その仲間のようです。
どうも、もともとはウスターソースを作る際必ず発生する副生成物で、ウスターソースを熟成するときに沈殿した澱の部分で出来ていて、香辛料が多く含まれるため辛口になります。
豚のスジにしても、どろソースにしても、副生成物であり、それをおいしく頂くというのが、大衆文化であり、B級グルメの本質でもあるかと思います。

ちなみに、このソース、お好み焼き以外にも、コロッケなど揚げ物にかけたり、カレーや野菜いための隠し味にも使えます。

震災で失ったものが大きいだけに、このような文化が残っているのを見るとほっとします。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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