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車いすでの帰国 [2009年02月07日(Sat)]

車いすでの帰国 [2009年02月07日(Sat)]

タイから帰国しました。
今回は、いつもにも増してハードスケジュールでした。
現地で一日休みたいところだったのですが、9日に京都に移動して二日間撮影があるので急いで帰ってきました。

ところがです、ハードスケジュールによる過労、急に気温の高いところに行ったストレス、日焼け、エアコン効き過ぎによる喉の腫れ、水分摂取不足、大好きなビアチャンの飲み過ぎなど様々な条件が重なり、木曜日の朝、体内の尿酸が結晶化し足に関節炎が発生してしまいました。

木曜日は、タクシーをチャーターしてプーケットの養護学校に行く予定だったので、取材の件は大丈夫だったのですが。

水曜日に手配した、金曜日のプーケット→バンコクのエアチケットは、格安航空会社のエア・アジアだった。しかも、木曜日は手配した旅行代理店が休日です。あらら。

エア・アジアは、自由席が特徴の航空会社で、タラップで飛行機に乗り降りしたり、長距離を歩かされるので有名です。

金曜日の朝には、一日2リットル以上の水分摂取の効果もあって、少し痛みが収まったのはいいのですが。足の関節炎をかばって歩くため、他の足の筋肉に負担がかかるなどで、他の人の半分のスピードでしか歩けません。

搭乗手続きが始まって、搭乗口まで歩く通路で、次々と他のお客さんに抜かれて行きます。

次の搭乗口で、エアアジアの搭乗口というところに、バンコクエアの職員が3人いたのですが、手伝おうにも手伝えないし、手伝ってもすぐそこまでということなのか、申し訳なさそうな顔をしていました。
心配掛けてごめんなさい。

300メートルほどあるいてやっと飛行機にたどり着いたのですが、席が前の方は既に埋まっていて、主翼の後ろあたりの席にたどり着く。
座席はどこかと聞くヨーロッパ人に対し、スチュワーデスは毅然と「エニワン」と答えるだけ。
格安航空会社の面白さを感じる一瞬だ。

エア・アジアのシートは皮で出来ているようだが、どうも清掃がしやすいからだとか。こういう割り切りってけっこう好きです。隣のイタリア人と妙な意気投合をする。
飛び立ってしまえば、普段通りのエアバスA320だ。

スワナブーン空港に到着。
飛行機は、空港の広いところで止まる。
タラップをゆっくり降りると、バスが待っている。
バスに乗り込むと、客室乗務員が椅子を案内してくれる。ありがたい。
バスは、ぐるぐると空港内を走って、エアアジア専用と思われる入り口に着く。

わたしがゆっくり歩いていると、車いすを持って1人の男がやってきた。
わたしを車いすに乗せて、バゲージカラムに行き、荷物を取ってくれ。そのまま、タクシーに乗るまで世話をしてくれた。
途中、やさしいアラブ人男性の乗客が私のカートを押してくれた。国籍や人種も関係なく紳士は紳士だ。

さてさて、タクシーを待つ間、車いすを押してくれた男に対し、ほんとうに有り難いと思ったので100バーツのチップを渡そうと思っていたら、男は話しかけてきてサービス料金として120バーツを払ってくれなんだそうな。
ちょっとがっかりしたけど、正当なサービス料金だと思ったので、感謝の気持ちを込めて、にっこり笑ってお支払い致しました。

そんなことで、ボルボで財団事務所へ。

MBKでの撮影を終えて、荷造りをして、再びタクシーでスワナブーン空港へ向かう。
途中、通行止めをしていたせいかすさまじい渋滞だったが、急に流れて、タクシーの運転手の高速運転もあり、予定より少し遅れて到着。

しかし、タクシーの運転手が私が日本人だと言うことで気を利かせて、JALのカウンターの近くまで行ってしまいました。タイ航空だと言ったのですが、時は既に遅く、しかもガードマンの厳重警備のおかげで結局はJALカウンター近くに車を止めることに。

さらに不運なのは、目の前でカートが無くなってしまい、道路を渡って取りに行かなければならない状況になってしまいました。
荷物を置いて、ゆっくり道路をわたり、ようやくカートを取り。ゆっくりと、空港の出発ロビーの中をカートを押していく。

やっとたどりついた、タイ航空の日本と韓国行きのカウンター。
並んでいたら、寸前のタイ人が、実は1人ではなく、おそらく25人から30人のグループだということが判明。
すぐ後ろに並んでいた、名古屋の旅行代理店の人が「信じられない、普通団体チェックインするだろうが・・・・」とキレていました。
その旅行代理店の方は、他の列に移動したのですが、私はゆっくりしか歩けないので、そのまま並び。約40分待ちでチェックイン。

で、搭乗口と搭乗時間を見ると、なんと今じゃないですか。
私は、足が悪くてゆっくりしかあるけないので、搭乗時間にとうてい歩いてたどり着けないと言うと。
カウンターの女性が無線機で連絡を取ると、男性、女性の係員が車いすを持って飛んできた。

車いすに載せられ、ファーストクラス専用の出国審査の場所を通り、セキュリティーチェックも、最優先でパス。出国審査では、デジタルカメラが車いすの高さに対応していないために、手動で角度を調節して撮影。
裏道や特別なエレベーターなどを使って、スムーズに到着。
優先搭乗の時間にはギリギリ間に合わなかったが、スチュワーデスに支えられながら前の方の席に着くことが出来た。

これが、格安航空会社とナショナルフラッグの航空会社の違いなのだなと感じました。

機内での体内の水分の量に気を使いながら、早朝の成田に到着。

真っ先にANAの係員が飛んできて、車いすを用意していることと、お客さんが降りきるまで待つようにと話しかけられる。
今回の機材はボーイング747-400ということでたくさんの人が乗っている。
まあ、ゆっくりと待とうじゃないですか。

さて、入国審査ですが、これも、特別の入国審査所を通る。
他の人が入国審査待ちをしているのを尻目に、あっという間に通過する。

荷物を受取り、税関を通る。
最近、映像作家ということでは、税関のインタビューが厳しい。特にニュースソースに関して神経質になっているようです。私はやらないが、現地のテレビを撮影して持って帰ると、良くない場合があるようですよ。あまり知られていないルールがあるようなので、みなさん気をつけて下さいね。

次に、リムジンバスのチケットを購入。こちらも優先座席。
タイは気温が35度というのに、成田は-3度。
寒いので室内で待って、バスが着く頃にバス停に行き、寒さを感じずに無事にバスに乗る。

新宿駅でバスを降りるときも運転手が手伝ってくれました。

みなさま、本当にありがとう。
多くの人のおかげで旅が出来ることの有り難さを感じました。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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