外を見ない、外が見えない、そんな人が増えてる? [2010年03月16日(Tue)]

以前、ある医学部の先生が、その大学では医師としての教養をつけてもらう授業を行っており、その一環で海外での医療についての講義を受け持っているのですが、「最近の学生は私のころと違って海外のことや社会のことに興味を持たなくなっている、どのようにしたら感心を持つのだろうか」とこぼしていました。
これから医療者になる学生が、世の中がどのようになっているのかに興味が低いことで、日本の医療が停滞するのではないかと危惧を抱いているようでした。
私は原因については答えたのですが、どのようにすれば振り向いてくれるのかについては、答えることが出来ませんでした。

私のまわりは、海外の支援活動をしている人が多いので、関心の高い学生さんが多かったり、ブロガーは社会的なことについてのコメント数が多いので気がつかなかったのですが、下記の2つの記事が出てきて妙に納得です。

そういや、数ヶ月前にある方は、最近、渋谷に遊びに来る若者が減って、近郊でしか遊ばない若者が増えたと言ってしました。
つい20年前というか、10年前までは、爆風スランプの「週間東京少女A」というような、地方から渋谷に出てくる少女が多かったのですが。黄色い電車が、ステンレスで銀色になったりしたせいか、出てくる量が減っている気がしてなりません。

まあ、内向きが、加速した原因は、携帯電話やインターネットのコミュニティが発達するなどで、コミュニケーションが高度化したことが、密な関係を作ったということだと思うのですが。
それが「村社会」とか「内向き傾向」という形になって表れているんだと思います。

それより、もっと根源的な原因は、母子関係の強化など、家族内のみでのコミュニケーション強化ではないかと思われます。

狭い社会の中で、高度な情報を常にやりとりすることで、外が見えなくなるとか、情報をやりとりすることに疲弊するということが発生しやすくなります。

いわゆる、モンスターペアレントも、家族内の狭い社会の論理から生まれていると思われます。
たとえば、ある有名校でいろんな問題が出てきて話題になっていますが。言い方が悪いかのですが、有名校に入るためには、お受験のために、家族が結束して他を蹴散らすわけです。だから、入学後も何かあると家族を守るために、親は学校に理不尽な事を言えてしまうわけです。これがモンスターペアレントです。子供は、他の子供とのコミュニケーションより、親とのコミュニケーションが強いので、子供同士の何かのぶつかり合いについて、子供同士で解決するのではなく、親と解決しようとしてしまうのも、モンスターペアレントの発生する原因のひとつです。

閉じられた小さな社会での生活に慣れてしまっているからこそ、外を見ないでも良いと考えてしまったり、そもそも、外を見るということをしなくなる。そして、新しい人間関係が出来たとき、今まで経験してきた閉じられた小さな社会のつながり方でしか繋がれない。
これが、下記の記事のようなことに繋がっていくと考えています。

これらの問題の解決方法として、もうひとつのブログをはじめたころの記事に「孤独力」について何回か書いたのですが、こういう時代だからこそ、この「孤独力」が必要になってくるように思います。
孤独力に関しては、後日ゆっくりと書きますね。

子ども、内向き傾向に=「世界で活躍」2割以下-周囲との関係を重視・ベネッセ調査
(時事通信社 – 03月14日 16:02)

最近の子どもは狭い世界の中で満足?-。「ベネッセ教育研究開発センター」(東京)が全国の小学生から高校生を対象に生活実態調査したところ、5年前の調査に比べ、周囲との関係を重視する子どもが増えた一方で、内向きの傾向にあることが14日、分かった。将来像について「世界で活躍する」と答えたのは2割以下で、調査担当者は「大人や地域社会が視野を広げる機会を増やす必要があるのではないか」と話している。

調査は昨年8~10月、全国の小学4年から高校2年の計1万3797人を対象にアンケート形式で実施した。

それによると、友達とのかかわりについて尋ねた項目で、「仲間外れにされないように話を合わせる」と答えた小学生は、2004年の調査に比べ4.9ポイント増の51.6%、中学生が同1.1ポイント増の44.4%、高校生が同2.0ポイント増の41.1%と、いずれも増加。中でも小学生が顕著な伸びを示しており、小さいころから周囲との関係を重視している傾向がうかがわれた。また、「友達のことについて母親と話す」割合は、小学生が同7.0ポイント増の75.9%、中学生が同9.2ポイント増の66.4%、高校生が同4.4ポイント増の63.7%と、いずれも半数以上を占めた。

昨年の調査で新たに「将来像」(複数選択回答)について尋ねたところ、「親を大切にしている」が小学生で82.9%、中学生で74.9%、高校生で79.2%とトップを占め、続いて「幸せになっている」「子どもを育てている」が続いた。「世界で活躍している」は小学生で16.2%、中学生で12.3%、高校生で13.0%と、八つの選択肢の中で最下位だった。

若者の間で村社会が復活?
(WEB本の雑誌 – 03月15日 03:04)

10代:14.24歳
20代:16.77歳

全国の10代1,420人と20代2,246人を対象にしたドコモ・モバイル社会研究所の調べによると、今の10代は平均して中学2、3年生、20代は高校1、2年生でケータイを持ちはじめるのだそうです。若者が幼いころからケータイを持つことによって、彼らにどのような変化が起こったのでしょうか? 思春期をケータイなしで過ごした世代が経験したようなものとは、明らかに異なるライフスタイルがそこにあるといえます。

例えば、好きな人と話すために、ドキドキしながら、家の人が出るかもしれない固定電話にかけるといった苦労は当然ながらありません。

A男「お前、C子のアドレス知ってる?」
B男「知ってるよ、教えてやるよ」(AにC子のアドレスを転送)
A男「B男から君のメアド聞いちゃった。勝手にごめんね~。今度一緒にカラオケいかない?」(A男からC子へメール)
C子「いきなりでびっくりしたよ~。でも、喜んで!」

人から勝手にアドレスを聞いて好きな相手にメールを出すのも少しはドキドキするかもしれませんが、せいぜいこの程度。もはや、ドラマ「東京ラブストーリー」の世界などあり得ないのです。

10~20代のケータイ電話帳には、平均114.2人の知り合いが登録されているのだそうです。30~50代の平均143.9人にはさすがに及びませんが、彼らがまだ若者であることを考えると、かなりの登録件数だといえます。また、ケータイだけでなく、SNSやプロフなども利用しているので、「友人の友人」といった独特な距離感で付き合う人も多いのだとか。これがちょっとした「知り合い増えすぎ現象」となっていると、『近頃の若者はなぜダメなのか』の著者、原田曜平さんは指摘します。

街を歩けば予期せず必ず誰かと会ってしまうということは、人口の少ない地方の繁華街では昔からよくあったことですが、最近では、世界有数の大都市・渋谷でも頻繁に起こるのだそうです。

あまり仲の良くない知り合いと道端で会った時に気づかないフリをしただけで、他の友人にメールで「感じの悪い奴」と密告され、異性の友達と歩いているだけで「浮気している」と広まってしまう。そこには、いつも誰かに会うのではないかと人目を気にしながら生活する「監視社会」が誕生していると原田さんはいいます。これはかつての「村社会」と同じ。いつも誰かに見られ、まわりの村民と違った行動や目立ったことをすれば、すぐ村中の噂となり、陰口を言われたり、鼻つまみものにされてしまう「渋谷村」に生きる若者たち。

若者の間にケータイが普及したことで、巨大なネットワーク環境が生まれ、お互いの顔色をうかがい「空読術」により協調性を保たなければならない「村社会」が若者の間に復活したのです。流行語となった「KY」が、若者のなかから生まれたのもうなずけます。

『近頃の若者はなぜダメなのか』
著者:原田曜平
出版社:光文社
価格:861円

[CANPAN blog STILL ALIVE より]