砂澤ビッキが通った店 [2010年06月29日(Tue)]

旭川の中心部は1000軒ぐらいの飲食店があるといわれています。
歩行者天国の平和通り買物公園からちょっとずれたところにある古い木造の長屋の店につれていってもらった。
薄いガラス戸を開けて入ると六畳にも満たない部屋に、斜めに配置された5.6人も座れればいいようなカウンターがあり。その向こうにどこかきりっとした女将さんがいた。
この建物は戦後すぐに、満州から引き上げてきた人のために作られた長屋だそうで、いろんなビルが建ってもここが気に入って店を続けているそうです。

年老いた女将さんがひとりで切り盛りする小さなこの店に魅せられていろんな感性の強い人がくるのだそうですが、その一人にアイヌ人の木彫作家である砂澤ビッキがいたという。
1989年に亡くなったのだそうですが、毎日のようにこの魅せに通っていたそうで、あれだけ酒を飲めば命が短くなるよというぐらい酒を浴びていたという。
北海道のお土産というと熊の木彫が代表的ですが。ビッキさんはかたくなに熊を彫らなかったのだそうです。
波瀾万丈な人生を送りつつも、木と向き合っていたビッキさんがなぜ熊を彫らなかったのかの真相はわかりませんが、表現者としての誇りの現れのひとつなのかもしれません。
アイヌ人ということで、計り知れない差別を受けていたこともあったとかその立場にならないとわからないことがあったのだそうですが、ビッキさんがとにかく一生懸命生きていたということを女将さんは感じていたそうです。

ごく普通というか、粗末ともいえるこの店に魅せらてしまう。
なんなんでしょうね。
店っておもしろい。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]