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ニューギニア島での洪水とその背景 [2010年10月09日(Sat)]

ニューギニア島での洪水とその背景 [2010年10月09日(Sat)]

10月4日に発生したインドネシア東部ニューギニア島にある西パプア州で起きた洪水ですが、ハイチの地震に比べれば犠牲者が少ないのと、メディアが報じにくいためか、あまり報じられていません。
しかし、興味を持って調べていくと、驚くべきことがたくさんあります。

今回の水害が起きたニューギニア島は、オーストラリア大陸の北にあり、世界で2番目に大きな島です。アマゾン、アフリカ中部に次いで世界3番目の熱帯雨林地域と言われ。地球上の5%の生物種が生息し、うち3分の2は島特有の固有種と言われています。
この島には、先住民族が住んでいるのですが、彼らの暮らしとは関係なしに、南北に直線で国境が引かれ、東はパプアニューギニア独立国、西はインドネシアの西パプア州となっています。
地下には、豊富な鉱物資源があるそうで、森林伐採をし、露天掘りを行い、鉱山の排水により熱帯雨林が破壊されるという事が起こり、今回の洪水の要因になっていると言われています。
しかし、ユドヨノ大統領は森林伐採とは関係ないと発言し、その一方で森林相の元副大統領ユスフ・カラ氏は森林伐採が原因と指摘しています。
この意見の相違の背景に、西パプアの様々な問題の複雑さがあるのではないかと思います。

 

鉱毒によって破壊され、死の世界になった熱帯雨林

関連ページ
http://doraku.asahi.com/lifestyle/earthphoto/100730.html
http://121.52.132.148/foto.php?pil=20081030222131

西パプア州では、マレー系の移住や企業の進出が進み、そこで原住民たちとの衝突やら人権的に問題のあることが起こっているそうです。

 

軍隊に抵抗をした先住民たち

関連ページhttp://oktopogau.blogspot.com/2008/08/korban-penembakan-dirujuk-ke-wamena.html
http://www.abc.net.au/news/stories/2009/07/21/2632417.htm

これらのことって、エコロジーシアター『天の浮舟』で採り上げていることが、いま現実で起きている事を物語っています。

さらに、パプアニューギニアの問題解決をはばむもの自然が破壊されたあと、どのように人の暮らしを守りながら、再生していくのかも困難です。

COP10の生物多様性の会議が名古屋で開かれてますが、京都議定書のときCO2排出権取引という新しい利権ビジネスが生まれたように、ニューギニア島は多様な生物を利用した新たな利権ビジネスの対象になる可能性があります。

この洪水をきっかけに、ニューギニア島についても関心を向けて行きたいと思います。

インドネシア洪水 死者100人超
10月9日 4時35分 NHK
インドネシア東部のニューギニア島で大規模な洪水が発生して、これまでに100人以上が死亡し、日本の前原外務大臣はインドネシア政府に対して被災者への支援を行う用意があることを伝えました。

インドネシア東部ニューギニア島の西パプア州ワシオルで、今月4日、豪雨によって増水した河川から鉄砲水が発生し、住宅数百棟が濁流に押し流されました。インドネシア国家防災庁によりますと、今回の洪水で、日本時間の8日夜までに確認された死者は108人に上っているほか、76人の行方がわからず、警察や救急隊が捜索を続けています。また、けが人は700人を超え、1100人以上が家を失うなどして避難生活を強いられているということです。被災地は道路網の整備が進んでいない地域で、食料や水、それに薬が不足しており、ユドヨノ大統領は海軍の艦船を派遣して海から支援物資を運び込む方針を示しました。一方、日本の前原外務大臣は、8日、インドネシアのナタレガワ外相あてに書簡を送り、「お悔やみとお見舞いを申し上げる」と伝えたうえで、「わが国として必要な支援を行う用意がある」と述べ、インドネシア政府の要請があれば被災者への支援を行う考えを示しました。

洪水で死者83人、不明68人に インドネシア東部
【ジャカルタ共同】インドネシア東部の西パプア州(ニューギニア島西部)で4日起きた洪水で、国家災害対策局は6日、死者は83人、行方不明者は68人に上ったことを明らかにした。重軽傷者は約530人。政府は海軍の艦船を派遣し、緊急の食料品やテントなどを搬送した。

被災地は同州ワシオルなど8村。4日の豪雨で洪水が発生、山間部では土砂崩れも起きて周辺の民家や学校、モスク(イスラム教礼拝所)などがのみ込まれた。地元の飛行場も泥などに覆われて使用できず、救助活動が遅れている。

同国では今年、ラニーニャ現象に伴う異常気象が続いており、例年4~10月ごろの乾期に連日、各地で降雨が続いている。

2010/10/06 21:30 共同通信

インドネシアのコアな情報は、佐伯奈津子さんのツイッター(@hanapuepue)などで手に入ります。

[CANPAN blog STILL ALIVE より]

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