離島で「鳴き砂」を2か所確認 鳴き砂と錫は関係あるかも

8月25日~9月1日まで2017年夏のスタディツアーを実施しました。
少しずつどのようなツアーであったかをお伝えします。

さて、今回のツアーで新たな発見がありました。
それは、鳴き砂です。

2004年のスマトラ島沖地震によるインド洋大津波の後、プーケットのカロンビーチの鳴き砂が観光開発される前の状態で鳴くようになったという事があったのですが。
そのカロンビーチから120キロ北に位置するプラートーン島で鳴き砂の存在を確認しました。
しかも、離れた位置にある2か所です。

1か所目は、ゴールデンブッタビーチです。
このページのアイキャッチの画像がそのビーチです。
このような岩と白い砂のコントラストが面白い。

2010年8月にゴールデンブッタビーチを訪れたときは雨天だったので鳴き砂の可能性を指摘しながらも鳴き砂は確認できませんでした。関連記事

2か所目は島の南部に位置するトゥンダップ村の船着き場の小さな浜です。
周りにはマングローブが発達しています。

実際にどんな音なのか聞いてみましょう。

 

前半はトゥンダップの船着き場。後半はゴールデンブッタビーチ。
音質はカロンビーチの鳴き砂と似ています。
鳴く場所は砂が乾いている場所で、少しすり足で歩くと鳴りやすい。

砂が鳴く原理は、まだよくわかっていないそうです。
12年前、粉体工学の学者に問い合わせをして、その後、京都府の京丹後市にある琴引き浜鳴き砂文化館にカロンビーチの鳴き砂を持ち込んだとき。
鳴き砂は、花崗岩など石英を多く含む砂で発生しやすいそうです。石英は水晶と同じ物質なのですが、水晶のように柱状ではない「高温石英結晶」なのだそうです。そして、すごく小さな貝である微小貝が含まれているそうです。記事参照

今回は、サンプルを持ち帰りませんでしたが。おそらく顕微鏡で見ると上記の条件を満たしていると思われます。次回はもっと島の外周を廻ってみてサンプルを持ち帰りたいと思います。

私の推測ですが、この島の鳴き砂は錫と関係しているのではないかと考えています。

プラトーン島の砂から錫が取れます。
錫の鉱石は、ペグマタイト(英: pegmatite)に含まれている場合があるそうです。ペグマタイトは大きな結晶からなる火成岩の一種で花崗岩質のものが多いとのこと。つまり石英を含んでいる。
プラトーン島のビーチ、そして錫の産地であるプーケットのカロンビーチの砂は錫鉱石を含んだぺグマタイトが風化して、錫鉱石以外の石英の多い砂が鳴き砂になった可能性がある。

この写真は、錫を含んだ砂があるビーチです。
クリーム色の部分は白い石英を含んだ砂。濃い灰色の部分は錫を多く含んだ部分です。
錫はこの濃い砂の部分を集めてきて、水をかけたり、砂金採りのようにお皿に水を入れて回したりして、比重の違う砂粒を分離して錫の純度を高めてゆきます。
純度が高い方が高く買い取ってもらえるそうです。

錫を含んだペグマタイトが荒波で砕かれ。その荒波が錫をある程度分離しているのかもしれません。この浜は、波が複雑なので遊泳も小舟を浮かべるのは禁じられているそうです。写真でも複雑な波がわかると思います。

 

砂浜から採ってきた色の濃い砂に水をかけて分離をする作業。

砂金採りのように水でさらして比重の重い金属だけを集める作業。

黒い部分と茶色い部分との間にある薄い色の部分が錫。

重労働だが意外と買い取り価格は安い。
原価がかからず、簡易な設備や道具でできるので、買取り価格は高くなくても現金収入にはなる。なにかとお金のかかる本土では採算は合わないが、離島では電気が通っていないので電気代が必要ないなど、自給自足している分にはお金がかからないから成り立つのかもしれません。

鳴き砂の話に戻りますが。
錫の鉱山はマレー半島に多く存在するそうです。
海砂から錫を採っている地域では、もしかするともっと鳴き砂があるかもしれません。

またベトナムからマレー半島にかけて鳴き砂のある地域が帯状にあるそうですが。それも錫との関係かもしれません。さらに東南アジアの地形がどのように出来たのかと関係してくるかもしれません。

あくまでも仮説なので、専門の方も交えて訪問できたらと思います。

最期に、鳴き砂はサンオイルとかの油などで汚れたら鳴かなくなるそうです。
鳴き砂を保全するためには海を汚さないようにする必要があります。

人は知らないうちに海を汚している事があります。
堤防などで海が見えなかったり。最近は海水浴に行く人が減ったりと。海との親しみが減り。それが海への関心をなくします。そして知らずに海を汚してしまう。

海や水辺とのつながりをつくり。海に関心を持ち。海を汚さないようにしたいですね。