外国人が増加するバンコクのスラム

久しぶりにバンコクのクロントイスラムを訪問しました。
今回の訪問で気が付いた事は、スラムの住民にカンボジアなど近隣国の方が増えたことです。
今までは、タイの貧しい農村部の人が出稼ぎにバンコクに出てきて、家賃が安く、仕事が発生する場所に近いスラムに住み着くという事だったのですが。
タイの田舎から出て来た人が収入を得てスラムから出て行ったあとに、カンボジアやミャンマーなどの近隣国から来た人が住むようになってきたそうです。
スラムの問題や子供たちの教育の問題に携わるNGOドゥアンブラティープ財団の国際部の方の説明によると、クロントイスラムには12万人が住んでいると言われていますが、そのうち2000人は外国人だと説明をうけました。しかし、歩いた感じでは、実はもっと多い可能性があるのではと感じました。
外国人は、タイ政府による支援が受けにくいという問題があるのですが。それと同様に、タイ人であっても「無戸籍」「無国籍」という問題がクロントイスラムでは多く見られるそうです。貧しくて、子どもを産んですぐに親が失踪するなどをした場合、タイ人として生まれたという証明が難しく、証明ができなければ「無戸籍」「無国籍」となる。
「無戸籍」「無国籍」では、公的な教育や福祉を受けられなかったり、16歳で発行される身分証明書が発行できないためにまともな仕事につけないなどの問題が発生します。そうなると、非合法な仕事に手を染める事に繋がってゆきます。これは、正規の手続きを経ていない外国人労働者も同様です。
クロントイスラムにはスラムの問題に取り組む5つの大きなNGOがあり、政府への折衝などについて協力し合いながら活動をしているのですが。それぞれのマンパワーなどが限られているために、充分に取り組めていない問題が多いそうです。
スラムの問題を解決をするためには、住民たちのコミュニティづくりは有効な方法だと思いますが、外国人というニューカマーの流入は、コミュニティづくりの難易度を高める要因となり、より多くのマンパワーを必要とします。
来てしまったのは仕方ないので、この地で問題を解決してゆかないといけないのですが。スラムに住むような形で、労働を求めて地方や隣国からやって来なくて済むような貧困対策も同時に行う必要もあるかと思いました。
バンコクのスラムの問題は、スラムだけでなく、タイの地方、近隣の国を含めてトータルに問題を解決してゆかないといけない。国籍に囚われない、人間としての安全保障が必要だとして、誰がどのようにしていくのか。スラム内の自治だけでは済まない問題になってきているように感じました。