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タイの「洪水セット」

タイの「洪水セット」

「平成30年7月豪雨」「西日本豪雨災害」の被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

ツナミクラフトのある甲子園は、何日も強い雨が降り不安でしたが、幸いにも被害はありませんでした。

5日から降り続いた雨が上がり、被害の全容がようやくわかってきて、犠牲者数も3桁になりました。災害の大きさが伝わる報道がなされると共に救援物資を送ってとか、地方行政からは救援物資を受け入れる事が出来ないという情報がネット上をかけめぐっています。
それを見ていて思うのですが、物資を現場で被災者毎に仕分けをしないといけない状態があり、人材が割かれるから受け入れられないという事があるのではないかという気がしてならない。なぜそう思うのかというと、タイには「洪水セット」のような便利なものがあるからです。

これが「洪水セット」です。中身が入った状態です。
袋には、タイ赤十字のマークがついています。

この「洪水セット」を、いつどこで手に入れたかとという、東日本大震災の時に日本国内で手に入れました。
これと同じものが、目黒にタイ大使館があったことから、目黒のさんま祭りの縁で岩手県宮古市のシーアリーナ避難所に届けられたそうです。
その後、タイ大使館に届いた宮古市民からのお礼状がきっかけで、後に宮古市から三陸さをりプロジェクトが始まることになりました。

さて、この「洪水セット」の中身なのですが。着の身着のままに逃げて来た人に必要なものが2人分入っていて、家族に1-2パック渡せば当面は大丈夫というものになっています。こうすれば、簡単に被災者に渡せます。

左上から 懐中電灯と電池のセット、生理用品と洗剤、歯磨き粉、手桶、歯ブラシ2人分、せっけん、ロウソクとライターのセット、缶切りと栓抜き、蚊避けの薬、バスタオル、毛布のようなもの
ゴミ袋、腰巻布、シャツ(大人用・子供用)数着、パンツ(大人用・子供用)、下着、薬
ふりかけ、缶詰類、プラスチック皿、プラスチック食器、お米10キロ、インスタントラーメン

水以外のものが揃っています。

懐中電灯と電池のセットやロウソクとライターのセットがニクい。
だいたい備蓄倉庫には、懐中電灯は懐中電灯、電池は電池でまとめて箱に入れたまま置いているもの。
必要な時にそれぞれ渡す事に。

あの手桶は、トイレ・シャワー用です。
あれが、日本に届いたのかと、タイ人も大うけ。

日本人の口に合わないものも。やたら唐辛子のイラストも。
宮古市の方から来たお礼状には「津波に遭って、もう外国にはいけないものだと思っていたけど、外国の感じを味わうことが出来た」と書いてあったそうな。

ちなみに、お米は、タイ米でも上等なものらしい。

薬箱の中身
タイ語が読めないのでバンドエイドと脱脂綿ぐらいしか日本人は使えない。
いわゆるヨーチンとかイソジンのようなやつとかなんとなくわかりますが、薬品は危ないのでタイ人コミュニティに渡しました。タイの方からすれば日本語で書かれた薬は誤飲や誤用をするので危ない。

タイ人には必需品。
これが救援物資に入ってたとタイ人に教えるとニンマリされる。
日本人には使い方がわからないだろうという感じ。
巻き方とか覚えるとタイ通になれます。

この中身は、だいたい基本的な構成は同じなのですが、必ずしも同じものが入っていないらしいです。理由は、寄付で届いたものを普段からパッキングして保管して、いつでも出せるようにしているからです。

日本では、災害が起きるたびに、物資送れ、服が足りないとか、そういうのがネットに氾濫しますが。
日本では毎年一定数の水害や天災が起きるのですから、あらかじめこのようなパックを作っておいても良いかと思います。そうすることで、現場で仕分けや分ける作業をしなくてはいけないという事が減るだけでも、避難所が効率化するように思います。

 

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