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【COVID-19】約一カ月、托鉢が出来ないタイのお坊さんたち

【COVID-19】約一カ月、托鉢が出来ないタイのお坊さんたち

新型コロナウイルスの流行で、外出が規制されているタイ。
托鉢で食べ物を調達しているお坊さんたちも外出禁止の例外ではありません。
この一カ月、お寺から出ずに「ステイ・テンプル」です。

タイは、上座部仏教が多く、お坊さんは戒律として、人から施してもらったものした食べる事が出来ません。だから、毎朝、檀家さんを訪ねて托鉢をします。お坊さんは隊列を組んで、家の前に行き、そこで鉢の中にご飯やおかずをいれてもらいます。檀家さんは、お坊さんに施す事で徳を積むことができます。

参考 通常の托鉢の例

しかし、新型コロナウイルスの感染対策として、外出が禁止された事で、その托鉢が出来なくなっています。

じゃあどうなっているかというと、檀家さんの決まった人が、人に接触しないようにして、お寺のキッチンに食事を持ってきて置いていってくれるのだそうです。それを、一度、お寺のスタッフが接触しない形でうけとり、お坊さんたちの食事になるのだそうです。

そのようにして、お坊さんの食料は確保できるのですが、困った問題が起きています。

それは、お寺で檀家さんに会えなかったり、托鉢で地域の人に会えない事で、人々の心のケアが難しくなっているそうです。

ロックダウンによる経済的な問題と、悩みごとを相談しにくかったり、悩んでいる事に気付いてもらいにくくなったため、追い詰められてしまう人もいて。結果として、自殺者とかも出てきているようです。

家に常にいなかったことで回避されていた家庭の問題が、ステイホームにより逃げ場を失っている事もあるかと思います。

タイのお坊さんは、自発性を大切にするところがあって「お寺に来なさい」とは言わないと聞いた事があります。そのぶん、お寺に来るモチベーションを持てるようにそれとなく促したり、お寺によってはお寺が迎えてくれる雰囲気をつくったりとかしています。

しかし、このロックダウンの中では、お寺に行くハードルが高くなっています。

お寺を、心のケアをする仕組みの一つと捉えたとして、世の中にある心のケアをする施設は同じような状況がどこかしらあると思います。

また、火葬の問題もあります。通常、タイで仏教徒が亡くなるとお寺で火葬をするそうですが。私が話を聞いたお坊さんは、ロックダウンになった後、お寺で火葬を行っていない。亡骸はどこに行ったのだろうかと言ってました。
どうなっているんでしょうね。満足に弔う事のできなかった家族はどうなってるの?

お坊さんたちも、この状況下でどうすれば良いのか、いろいろ知恵を絞っているとは思いますが。
まずはきっちり感染を押えて、短期間でロックダウンという状況を終わらせる事が大切なのかもしれません。
タイは、ここ数日新規感染者数が1桁で推移しているので、近いうちにロックダウンが解除される可能性が出てきています。この方法はタイでは有効な手段だと思います。

しかし、日本は長期化しそうな感じです。

コロナ危機の間、精神衛生をどうするのかは大きな課題だと思います。

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