未来の災害対策と知恵の蓄積―スマトラ島沖地震20年目に寄せて―
20年前の2004年12月26日、インドネシアのスマトラ島北部のインド洋にて地震が発生し、東南アジア、南アジアから、アフリカ東岸までインド洋全体に大津波が襲い、数十万人単位の死者行方不明者が出たりと、多くの人々の暮らしを一変させました。
自然災害は、地域の持っている問題を露にする面があります。
そして、その問題に対しいかに直視し、それに取り組んだのかにより、被災地はそのままに戻ったのか、悪くなったのか、良くなって発展したのかに別れました。
津波をきっかけに、紛争が止まった地域もありました。
自然災害に限らずいろんな災難は人の身体だけでなく心や社会にも影響を与えます。
来年の1月17日には阪神淡路大震災も30年目の日を迎えます。
そして、1月1日には能登半島地震から一年となります。
おそらく、衝撃的な映像や情報があふれると思います。
それより、災害により何がどのように起きて、その災難に対してどのような再発防止がなされたのか、その結果どうなっているのかがきちんと伝わるかに注目してほしいと思います。
災難に遭った人は、その経験がなぜそうなったのかが腑に落ち、同じようなことが将来起きないように一歩でも対策が進む想いを持っていることがあります。その想いや行動が伝わっていくことが知恵となり文化の大きな要素だと私は思います。
人は生まれ、天命がつきます。時間が経過すると大規模な災害でも経験を持った人の割合が減ってゆきます。これはどうとようもありません。
その一方で、その災害にあった人の災難が続かないようにする想いが伝わっていくことで、人の命の長さを超えて人の文化となってゆきます。
災害で同じ問題が繰り返されたり、恐怖をフラッシュバックさせるだけの情報が繰り返されるのは知恵が蓄積されていないという事であり。人々の想いが繋がっていないということです。
2024年は1月1日の能登半島地震から始まりました。
人の知恵が蓄積し文化的な社会になっているかをこの機会に検証してみるのはどうでしょうか。
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