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14年ぶりに琴引浜へ ウミガメ 鳴き砂でつながる

14年ぶりに琴引浜へ ウミガメ 鳴き砂でつながる

先日、突然、関西の日本海方面に行ってきました。今年は雪が少ないので雪のない丹後地方、但馬地方でした。
雪がないことを良い事に、ふらっと出かけたので予定にはなかったのですが、14年ぶりに京都府京丹後市網野町の琴引浜に行ってきました。

琴引浜は、浜を歩くとキュッキュッと音が鳴る「鳴き砂」が有名なのですが、雨や雪が降ると鳴かないと言われていますけど。朝、雨が降っていたので今日は鳴かないと思いながらも寄ってみる事にしました。

ここには14年前に訪れた事があります。その時は雪が積もっていました。なぜそんな時期に訪れたかというと、プーケットのカロンビーチにも鳴き砂があるのですが、2004年のスマトラ島沖地震による津波のあとに、その鳴き砂が観光開発される前のような鳴き方に戻ったということがあり、カロンビーチの鳴き砂を持って琴引浜鳴き砂文化館に砂がどのような状態なのか見てもらおうと訪れたのです。(当時の記事)

天橋立方面から雪のない道を走って琴引浜に到着。有料駐車場はだれもお金を取るオーラがゼロで「本日は鳴き砂は鳴きません」との看板が。
前回は積雪で砂が鳴くどころではなかったので、雨も上がったしもしかしてと思い、車外に出たらむっちゃ寒い。海は典型的な日本海の海の色で波も荒い。この波があるから砂も鳴く。
家族は寒いので車の中から出たくないので、1人で浜の方に下りてみてた。とにかく風が強いので早く車に戻りたいと思いつつ砂浜へ。
当然ながら音が鳴らない。もしかしてと思って、少しすり足で歩いてみると少しキュッキュッと鳴りました。本来の音ではないのでしょうが少し鳴るのが確認できました。雨が上がって表面が少し乾いたから鳴いたのでしょうね。

寒いのでさっさと車に戻り琴引浜鳴き砂文化館へ。
ここに来るきっかけは、プーケットのカロンビーチの鳴き砂を専門家に見てもらいたいと思い、ネットで検索して三輪茂雄先生にたどりつき、先生に鳴き砂を見てほしいとメールで問い合わせたところ。もう私は高齢だから私の所では扱っていないので京都の網野町にある琴引浜鳴き砂文化館に持って行きなさいと言われたからです。

郵送しても良かったのですけど、実際にどのような施設なのかも興味があったので、2005年の12月に鳴き砂を持ち込んだのです。
今回はそれ以来の訪問です。

前回と違い今回は突然の思い付きでの訪問です。
1つ目的があるとすれば、カロンビーチの鳴き砂が展示されているのかでした。

ここを紹介して下さった三輪先生は2007年に亡くなられ石碑と記念展示ブースになっていました。

琴引浜鳴き砂文化館は博物館と名乗っていません。それは、海を守る運動や海との暮らしを文化として伝える拠点だからです。科学的なというか博物学的な展示もありますが、地域の人などいろんな人が海を守る活動の拠点となっています。ですので、地域の方が浜を掃除した時のものを分類して展示をしたり、どんな植物があるのかを写真に収めたものを展示したりと、どこか地域の人の手を通した展示が多いのが特徴です。

また、子どもが興味をもてるように、動かしたり音が出たりする体験展示や、顕微鏡で微小貝を探したり、ちょっとした工作ができたり体験型になっています。

前回訪問した時は、ウミガメの特別展をやっていて、スタッフの方からこのあたりに来ているウミガメにマレー半島やインドネシアでつけられた標識がついていたと聞きましたが。今回は2013年にこの近くに打ち上げられた世界最大のウミガメ「オサガメ」の展示がなされていました。

タイのアンダマン海岸には11月頃からオサガメの産卵が見られます。タイのパンガー県のタイムアンにあるウミガメの保護センターではオサガメの研究もしているそうです。2007年にはプーケット島の鳴き砂のあるカロンビーチで10年ぶりにオサガメが産卵しに帰って来たそうです。津波で砂浜がきれいになったので戻って来たのかも。

タイにおけるオサガメの産卵を新聞記事から辿って行くと、11月末にラノーン県からパンガー県と南下し、12月にプーケット県という感じにだんだん南下してゆきます。
これは、この地域の漁業の一つクラゲ漁の盛んな地域の推移と似ています。
オサガメの口の中はおろし器のようにとげがたくさんあってクラゲを捕食しているらしいですが。クラゲ群れとオサガメの産卵は連動しているのかもしれません。

さて、肝心のカロンビーチの鳴き砂ですが、ちゃんと展示してありました。大切に扱っていただき感謝です。

帰り際に職員の方にスタディツアーの中で見つけたパンガー県のプラートーン島の鳴き砂の話をしたら、後日琴引浜鳴き砂記念館のWebサイトとFacebookページに紹介していただきました。鳴き砂との繋がり強く感じました。

東日本大震災の被災地にもたくさん鳴き砂があります。東北とタイとの鳴き砂でつなげるのも良いかなとと思いました。

琴引浜鳴き砂文化館 http://www.nakisuna.jp/

【特報】2020年7月~8月「鳴き砂」の調査を兼ねたスタディディツアーを実施します。詳細はこちら。参加者募集中。

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