復興した観光地の風評被害 [2005年06月03日(Fri)]
去年の末に起きた、スマトラ島沖地震による津波の被害は甚大なものでした。
半年経った今も、未だに、全く復興の目処が立っていない所もあります。その一方で、この半年で、どうにか、復興してきた所も多く存在します。
来週、タイにサッカーの無観客試合の様子を見に行くのですが、そのついでにというわけでもないのですが。復興した観光地の風評被害を視察しに行くことにした。
そこで、まず、下調べとして、タイ国政府観光庁にいった。
津波による観光客は、タイ全体としては、減っていないが、ピピ島は、かなり酷くて、観光どころではない所が多いそうだが、プーケット付近は、現時点で90%復興しているにもかかわらず観光客が減っているそうだ。減ったお客さんは、どうも、タイ国内の別の地域に行っているのではないかと思われるというお話しでした。
次に、タイ国際航空に、国内線の運行状況を調べるとともに、現地の状況を聞きに行くことにした。受付のおねーさんによると、プーケットには、やはり、日本からの観光客は減っているとのこと。お客さんが減っているからと言って、プーケットまでの直行便を無くすと、さらにお客さんが減ってしまう事が予想されるので。どうも、踏ん張って、直行便を飛ばしているらしい。
今、八重洲地下街で、「元気!プーケット!」タイ・プーケット現状報告写真展 2005年6月1日(水)~6月16日(木) を行っている。
この写真展は、3月2日~6日、タイ国政府観光庁、並びにタイ国際航空はマスメディアを対象にプーケット復興視察ツアーを行い、そこに参加した、プロの写真家と同行記者が撮った写真を展示するというものだ。
ここでは、この写真展以外にも、同じく津波に遭ったスリランカやモルジブのPRも行われている。たとえば、スリランカ航空は、スリランカとモルジブへの直行便を設定したりと、日本からの利便性をアピールしていた。
この写真展で、一人でも多く、津波以前に近い状態まで、お客さんが戻ってくればいいんだけど・・・。
とはいえ、以前書いた通り、怖いのは、大きな復興事業が落ち着いた、災害から、2-5年後あたりだ。今のところ、復興特需もあるのだが、それがなくなったとたんに、経済的にも、体力的にも、辛くなっていたことが、表面化してくる。
それは、一度、行かなくなったお客さんは、なかなか戻ってこないとうことだ。
これは、観光だけではない。
自立させることが目的で行われる、支援活動は、プロジェクトが終われば、撤退するのが原則である。
しかし、実際は、支援が終わってからが、自分たちで行う、復興の本番なのだ。
それを拒むものの一つが、現実を見て、冷静に判断していない事によって、起こる風評被害なのだ。
その風評被害はどのぐらいなのか、現場で見てみたい。6/10-11という強行スケジュールだが、まずは、体感してみたいと思う。
[CANPAN blog STILL ALIVE より]
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