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織り機や糸の寄付がありました。織り機はタイへ。糸は東北へ。

織り機や糸の寄付がありました。織り機はタイへ。糸は東北へ。

織り機は強度が必要なので、とても丈夫に出来ていて。20年とか30年前に製造されたものでも、ちゃんと整備すれば使えることが多いです。
しかし、織り機より、人間の方が年老いていくのが早い場合があり。使わなくなった織り機や糸を有効に使ってほしいという要望がツナミクラフトに寄せられます。

今回は兵庫県内から2台の織り機と糸の寄付がありました。ありがとうございます。

さをり織りの織り機は、20年少し前に大きくモデルチェンジをしていて、経糸を巻き取る方向が逆になっています。経糸の巻取り方が変わった後のモデルは使いやすく1万台以上売れたベストセラー機なのですが、その前のモデルも良く売れたそうです。

タイの津波被災地で使われている織り機は、巻取り方が変わる前のモデルです。当時は新しい方式の織り機の買い替えが進んでいた時期で、古いタイプの織り機を点検整備をして、JICAプロジェクトの一環としてタイにかなりの台数が渡ったものです。

タイ南部で使われている織り機
タイの全都県の特別支援学校に導入しているタイ国内でライセンス生産をしている形と違う巻き取り方となります。


とても丈夫で持ち運びもできて、タイ南部だけで最大7か所の作業所で使われていたのですが。日本国内よりはるかにハードに使われていることもあり。最近はかなり工夫をして織り機のコンディションを維持していました。織り機からすると、これだけ使ってもらえると幸せなぐらい酷使されてます。

しかし、古いシステムなので、日本から新しい部品が手に入りにくいということがあり、今回寄付をいただいた織り機の動作を確認し、補修と清掃をしてタイに送ることにしました。

織り機は、一見塗装がきれいなのですが、金属が当たる部分や床に接している部分の塗装がはがれていて、そこに錆が発生しています。基本的に自動車の板金加工と同様の手法で、傷がついている部分を清掃し錆を落とし、鉄の削れが多いところはパテを盛り、錆止め塗料を塗ります。錆止め塗料も自動車補修用を使い。この錆止め塗料は速乾性なので30-40分ぐらいで乾くのですが。乾かしてから、刷毛の方向を変えながら重ね塗りをして、3-4重に塗り重ねました。
速乾性と言っても、きっちりと乾くのには1-2週間かかるので、船便を使い、到着している頃には硬くなっているはずです。さすがに焼き付けまではやりませんでしたが。カー用品店で手軽に安価で手に入る製品で少しでも長持ちするのがポイントです。

回転部分には、クレ55-6などの潤滑油を適度につけます。一度目は洗浄、一度ふき取って、二度目は油を敷く感じにします。油の量が多いとか汚れていると、税関を通りにくいので、丁寧に清掃をします。

パッキングは、相手国の郵便のルールに基づいて箱の大きさを割り出して、自作で箱を作りました。
正確に言うと、最初につくった箱では輸出できないので、箱を再利用しながら作り直しました。

また、ガタつかないように、当たっても傷がつかないように梱包しました。
紐かけは、織物と同じように、経糸と横糸が編まれた構造にすることで、ベルトにかかる力が分散するようにしています。

さて糸の方はというと。東北へと旅立ちました。
今回の糸は保管状況が良かったので助かりました。
そして、送った糸が野菜になって帰ってきました。ありがとうございます。

すばらしい、キノコ。おいしくいただきました。

災害支援活動ってのは、だいたい最初の1.2年とか、政府の支援のある5年とか10年で終わってしまうのですが。さをり織りのプロジェクトは、地域の方で自立して活動できる仕組みをつくっているので、政府の支援が終わっても、活動が終わらないし。つながりも続いてゆきます。

何億円もお金が動くような大規模なプロジェクトではないですが、細く長く続けられたらと思います。

ツナミクラフトでは、細く、長く活動を続けるための資金調達が必要となっています。コロナ禍でイベントやスタディツアーが実施できていないので大変な状況で、コロナ明けの事業復活に資金が必要な状況です。
物品やお金などの寄付や、商品の購入、お客様のご紹介など、皆様のご協力を賜れれば幸いです。

また、近日、12月から1月に行う展示会の計画を発表しますので、ご協力をお願いします。



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