【無事のご報告】フィリピン沖地震と、海でつながる三陸からの声
2026年6月8日朝に発生したフィリピン沖を震源とする大きな地震(M7.8 媒体に寄ってはM8.2)。
日本でも太平洋沿岸を中心に津波注意報が発令され、緊迫した時間が流れました。
ニュースが流れた直後、ツナミクラフトの活動を知る三陸海岸地域の方々から、「フィリピンで地震に遭ったのではないか」「大丈夫か」と、たくさんの心配のお声をいただきました。
東日本大震災を経験し、津波の恐ろしさを誰よりも知る三陸の皆さんが、真っ先に遠く離れたフィリピンでも活動をする私たちを気にかけてくださったこと、心から感謝いたします。
まず、最初にお伝えします。私たちは無事です。 ご心配をおかけしましたが、主要メンバーは日本におり、フィリピンの現地スタッフは地震のない地域に身を置いておりますので、どうぞご安心ください。
今回の津波注意報を通じて、改めて「海は一つで、つながっている」という当たり前の事実を強く実感させられました。フィリピン沖の揺れが、そのまま日本の海岸線を揺らす。私たちは常に同じリスクを共有している隣人なのだと、身が引き締まる思いです。
ルソン島アブラ州での経験から見る、フィリピンの現状
私たちが以前から織物プロジェクトなどで深く関わってきた、ルソン島北部のアブラ州。過去にこの地を襲った大地震の際にも、現地の厳しいインフラ事情が浮き彫りになりました。
日本の感覚とは異なる、フィリピンの災害現場のリアルな様子を少しお伝えします。
地震計の設置状況
日本のように「揺れた瞬間に全国一斉に詳細な震度速報が流れる」ような高密度の地震観測網は、フィリピンではまだ十分に整備されていません。
科学技術省(DOST)には、フィリピン大気地球物理天文局 (PAGASA)、フィリピン火山地震研究所 (PHIVOLCS)があり。地方拠点には日本との協力で設置された地震計などがありますが。高密度観測には至っていないようです。
今回の地震の潮位変動についてはミンダナオ島の都市、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケ―の魔女」の舞台となったダバオの港に潮位観測装置があったのですが。津波の複雑な潮位変化についてリアルタイムでの把握は困難です。
今後、津波による漂着物などをもとに、どのぐらいの規模の津波が来たのかの解析がなされるかと思います。

写真には写っていないが右側に無停電装置が設置されています。

建物の耐震性と構造
都市部の一部を除き、地方の建物の多くはコンクリートブロックを積み上げただけのような構造が目立ちます。柱の鉄筋も細く、大きな揺れに対して非常に脆弱です。一度強い地震が来ると、壁の崩落や建物の全壊リスクが日本以上に高くなります。
フィリピンの代表的なファーストフード「ジョリビー」が倒壊する映像が流れていましたが。広い部屋があり、片面がガラス張りで柱が細い建物は倒壊しやすいようです。
「余震の恐怖」と、いま懸念される支援物資の壁
フィリピンの地震被災地で最も恐ろしいのは、本震の後の「激しい余震」です。 建物がいつ崩れるかわからない恐怖から、家の中にいることができず、多くの人々が屋外での野宿(青空避難)を余儀なくされます。
そんな過酷な避難生活で、最も手軽で役に立つのが「養生シート(ブルーシート)」です。 雨風をしのぎ、地面に敷くための命綱となるこのシートですが、今、現地では深刻な問題に直面する可能性があります。
フィリピンの養生シートは、品薄なだけでなく、日本より高い値段で販売されています。
以前のアブラ州の地震の時は、お金を送るより、日本で買って国際航空貨物で送った方がかなり安くついたことがありました。
石油製品の供給不足
養生シートは石油製品です。現在、イランなど中東地域での緊迫した情勢・戦争の影響により、原油価格の高騰や物流の混乱が続いています。このため、災害時に最も必要とされるプラスチック製・ビニール製の支援物資の生産や流通が滞り、「必要な人に需要が全く行き届かない」という最悪のシナリオが懸念されているのです。
紛争という遠くの出来事が、巡り巡って、今まさに震えながら野宿をしているフィリピンの被災者の足元を脅かす。国際社会のつながりと、その脆さを痛感せずにはいられません。
海がつながっているように、私たちの暮らしも、支援の網の目もすべて世界とつながっています。
まずは私たちが無事であることに感謝しつつ、現地の友人たちや職人たちの安全確認を続け、ツナミクラフトとして今何ができるかを模索していきます。
フィリピンでは、マヨン火山の1万8000人の避難民の仕事づくりのリクエストが来ています。
災害が続いていて、小さな団体で何から手を付ければ…
皆さんも、海の向こうの出来事と思わず、防災への意識を今一度共にしてくだされば幸いです。
Share this content:
