【被災地に寄せて】陸路の寸断、途切れた道——北部ルソン島、能登、ネパール、手仕事がつなぐ絆
ここ数日、国内外で豪雨による深刻な自然災害が相次いで発生しています。被災された皆様、そして今なお厳しい状況の中におられる皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
各地の被害状況を見つめるなかで、私たちが改めて強く再認識させられているのは「陸路の寸断による支援や救援の極めて高いハードル」です。
1. ネパールの陸路支援における深刻な課題
ネパールのヒマラヤ山麓で発生した大雨や山体崩落では、山沿いに通る主要道路や橋が一瞬にして崩落・流失しました。
山岳地帯ゆえに迂回路が存在せず、陸路が途絶したことで多くの集落が瞬時に孤立状態となりました。救助隊や支援物資が入ろうにも道そのものが消えてしまっており、重機や車両が進入できないため、急性期の救援・支援活動は極めて困難を極めています。
2. フィリピン北部ルソン島で直面した、崖崩れと孤立のリアルな危険
私自身も今回、台風14号が直撃したフィリピンのルソン島に滞在していました。 ツナミクラフトが関わるアブラ州やベンゲット州などの山間部では、雨が強まるにつれて崖崩れのリスクが非常に高まり、集落が完全に閉じ込められる一刻の猶予もない状況に直面しました。
危険を感じて早々に現場を離れる判断をしましたが、実際その後各地で土砂崩れが発生し、道が途絶えて孤立する集落が出ました。
この台風により、ルソン島北部を中心に崖崩れや洪水が発生し、現地政府の発表では、これまでに19人が死亡、4人が行方不明、9万人が被災となる甚大な被害が出ています。
判断が一歩遅れていれば自分自身も土砂に阻まれ、救援も届かない場所で身動きが取れなくなっていた可能性が高く、生活や生命の命綱である「陸路の脆弱性」と「孤立の恐怖」を身をもって痛感しました。
3. 能登の「付け根」であっても生じる、半島特有のアクセス課題
日本においても、石川県・富山県での豪雨により、羽咋市、宝達志水町、中能登町、氷見市などで浸水や土砂被害が発生しました。
これらの地域は能登半島の「付け根」にあたる場所ですが、実際の現場では土砂崩れや冠水により道路が寸断され、複数の集落が孤立しました。
山と海に挟まれ、主要な幹線道路が数本に限られる半島地域においては、たとえ付け根であっても一箇所が封鎖されるだけで地域全体の交通・物流網が完全に途絶してしまいます。先の能登半島地震に続き、今回の水害でも「半島特有の道路構造のもろさ」が露呈しました。
世界各地で繰り返される「道」の途絶
「陸路の寸断」は、世界共通の問題です。 ネパールのヒマラヤ山麓で発生した山体崩落でも、山沿いに通る主要道路や橋が一瞬にして崩落・流失し、救助の手が届かない状況が続いています。
場所は異なっても、山や地形によって道が途絶え、支援が届きにくくなる構造は全く同じです。
物理的な道が途切れても、人と人の関わりを保つ
フィリピン、能登、ネパール。物理的な道が崩れ、支援が届かなくなったとき、被災地の方々が直面するのは、激しい不安と孤立感です。
インフラの復旧には長い時間がかかりますが、遠く離れた場所から届ける想いや、手仕事を通じたつながりまで途絶えさせるわけにはいきません。
私たちは、ある被災地で作られた道具や手仕事が、別の被災地の力になる関わりを大切にしています。能登で作られた高品質な筬(おさ)が、フィリピン・アブラ州の織物復興を支えたように。
道路が遮断されたとしても、私たちが紡いできたこの「助け合いの糸」は決して切れません。
【ご協力のお願い】9月27日、能登半島でのワークショップ開催に向けて
ツナミクラフトでは、能登半島地震から1,000日目となる9月27日に、能登現地で「さをり織り」のワークショップ開催を計画しています。
しかし、今回の豪雨による道路状況や地域の混乱の中で、現在開催場所が決まっておらず、会場をご提供・ご協力いただける方を急ぎ探しています。
道路が断たれ、何度も試練に見舞われている能登だからこそ、節目の日に現地で一緒に手を動かし、心を通わせる時間を持ちたいと考えております。
- 敷地やスペースの提供に関する情報
- 相談できそうな施設や団体のご紹介
など、お心当たりのある方は情報をお寄せいただけますと幸いです。
また、中長期的な被災地支援を継続するためのクラウドファンディングも実施しております。詳細は以下のページをご覧ください。
▶ CAMPFIRE:能登地震1000日目から国内外の被災地を「さをり織り」で生きる知恵を未来へ繋ぐ
各地で復旧や支援活動にあたられている方の安全と、被災された地域の一日も早い平静を心より祈らせていただきます。援活動にあたられている方の安全と、被災された地域の一日も早い平静を心より祈らせていただきます。
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